スピーク 移住の検討、グランピングで“お試し”

千葉県いすみ市と連携し関係人口増加に一役


移住の検討、まずはグランピングで――。東京R 不動産などを展開するスピークは、千葉県いすみ市と連携し、こんな取り組みを始めた。地域のありのままの姿を体感し、移住や定住につなげる狙い。


いすみ市は東京から特急で70 分。穏やかな丘陵地と風光明媚な海岸線など自然景観に恵まれ、多くの観光客が足を運ぶ。一方で、他の地方同様人口減少や高齢化に直面。2019 年3月末のいすみ市の人口は3万8062人と、この5年で6%減った。平均年齢は53.30 歳と、この4年で2歳ぐらい上がるなど高齢化も進む。市はスピークと連携し、都心などからの移住・定住の促進を狙う。

今回、スピークが事業主として展開するのは、宿泊といすみ市の食材やイベントなどをセットで楽しんでもらいながら、まるごといすみ市の良さを知ってもらう体験型施設「フォレストリビング」。もともと雑木林だった場所をいすみ市から購入し、開発。施設には、MUJI HOUSE が5年ぶりに投入した、庭とつながる全開口サッシなどが特徴の平屋住宅「陽の家」のモデルハウスも設置されている。いすみ市での住まいをイメージさせることで、移住・定住のイメージが具体化できる。スピーク代表取締役の吉里裕也氏は、「移住を検討する前の関係人口、そのきっかけをどう作るかが大切。朝、目を覚まして森や海などの空間を楽しみながら、地域の人と関わり、この地域の良さを知り、移住・定住の検討をしてもらえるようにしたい」と話す。

用途に合わせた3つのウッドデッキが用意されている
テントの中で、リゾートホテルのような空間が広がる

施設では、4人家族で3組がグランピングを体験できる。それぞれに、用途に合わせた3つのウッドデッキを設置。一番大きなウッドデッキには家族4人で寝泊まりできる大きさのテントが張られている。そのテントの中には、ゆったりくつろげそうなベッドが置かれる。電源も照明も装備されている。ダイニングセットやハンモックなども別のウッドデッキに用意されている。価格は通常、大人1人が1泊2万4000 円(大人)から。夕食は、地元でとれた魚介類を中心とした海鮮バーベキューだ。地場の鮮魚店が協力し、新鮮な食材を提供する。

移住・定住策として、地域を回るツアーを企画する自治体は多いが、観光色が強く出るケースも少なくない。今回の取組みでは、ハンモックで森林の中を楽しんだりするなど、地元の人と交流したりなど時間の使い方は、宿泊者にゆだねている。フォレストリビングを運営する、合同会社いちのみや観光局代表の宇佐美信幸氏は、「地域の伝統的な太巻き祭り寿司のつくり方を地元のおばあちゃんに教えてもらうなど、地元の人とのコミュニケーションを楽しんでもらいたい」と話す。


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