2019.8.1

積水ハウス 愛知・豊橋市の分譲地で電気・ガス・水道を共同自動検針

中部電力と中部ガス、第一環境、豊橋市の4 者連携で実現

電気とガス、水道全ての検針が自動で一括にできる住宅分譲地が愛知県豊橋市に誕生する。分譲地を手掛けるのは積水ハウス。検針業務の人手不足が指摘される中、分譲地の新たなメリットとして注目されそう。


電気などの検針業務は、これまでそれぞれ利用者の検針メーターを目視で確認するのが一般的だったが、人手不足の影響から検針業務を担う人員の確保が全国的に難しくなっている。このため、電力では先端技術を使ったスマートメーターで検針業務の省力化を図るなど、それぞれで自動検針に取組む事業者が出始めている。もっとも、それぞれシステムの違いから3者3様となっているのが現状。このため、今回、豊橋市の分譲地で行う自動検針は、電気とガス、水道のデータを共同で収集する国内初の取組みとなる。実用化は10 月から。

今回、共同で自動検針を行うのは、中部電力と中部ガス、水道料金徴収業務を手掛ける第一環境、豊橋市の4者。中部電力が電力スマートメーターで行っている自動検針サービスを利用し、それぞれ通信端末のついた都市ガスメーターと電子式水道メーターの検針値を、通信技術を使って自動で収集する。これにより検針業務の人手不足問題の解消につながるだけでなく、水道、ガスの検針データの収集も容易になる。ガスはこれまで月1回の検針が、1日1回のデータ収集が可能に。水道は2カ月に1回の検針から、毎日データ収集が可能になるため、水道使用者が自ら使用状態を確認できる“見える化”も検討されている。実現すれば、夏場に心配される水不足への節水意識の向上につながることも期待できる。料金請求は、従来通りそれぞれで行う。

共同自動検針の概要図

共同自動検針が導入されるのは、現在、積水ハウスが事業主体で開発が進められている豊橋市の「ミラまち」の中で約400 区画の戸建住宅が計画されている分譲地「コモンステージ ミラまち」。約27 万平方メートルのエリアに、住宅分譲地の他、商業施設・業務施設など生活利便エリアに分け、複合的に開発。住宅はZEH を中心に提案するなど環境に配慮する。この他「災害に強い」、「地域貢献」、「持続成長」の4つをまちの価値として強調しているのが「ミラまち」の特長だ。積水ハウスは共同自動検針で実現できる水道などの見える化を「居住者の利便性向上と環境に資する」と考えており、分譲地の新たなメリットとして共同自動検針が今後注目されそうだ。

積水ハウスが計画する「コモンステージ ミラまち」の完成イメージ図