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2019.7.29

板硝子協会 上位グレードの商標「エコガラスS」を制定

より高性能なLow-E複層ガラスの普及へ

板硝子協会は、JIS R 3209:2018(複層ガラス)の改正に合わせて、より上位グレードのLow-E 複層ガラスの商標として、「エコガラスS」を制定した。Low-E 複層ガラスの断熱性能を、より分かりやすく区分することで、高性能品へのシフトを促していきたい考えだ。


エコガラス(Low-E複層ガラス)とは、板硝子協会会員3社(AGC、日本板硝子、セントラル硝子)の共通呼称で、2枚のガラスをセットにした複層ガラスの内側に、特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングしたもの。ガラスに挟まれた中空層とLow-E膜によって、高い可視光透過率を有しながら、高断熱性能と優れた遮熱性能を発揮し、冷暖房効率を高め、光熱費やCO2排出量の削減に寄与する。

板硝子協会は、2019年6月、JIS R 3209:2018(複層ガラス)の改正に合わせて、より高性能なLow-E複層ガラスを対象とする、上位グレードの商標として「エコガラスS」を制定した。JIS R 3209:2018(複層ガラス)では、断熱性能による区分がT1~T6の6つに細分化された。

従来のエコガラスでは、熱貫流率(W/(平方メートル・K))が「2.33以下」、「2.33超、2.70以下」、「2.70超、4.00以下」の3つのグレードに分かれていたが、これを整理し、JIS改正により細分化された6つの断熱性能区分をもとに、より上位グレードの「エコガラスS」と、「エコガラス」の2つのグレードに大別した(図1参照)。

エコガラスS」の対象となるのは、上位ランクのT5、T6の、熱貫流率1.5W/(平方メートル・K)以下の性能を備えたもので、ダブルLow-E三層複層ガラス(中空層9mm×2)、アルゴンガス入りLow-E複層ガラス(中空層12mm)などが代表的なガラス仕様となる。

一方、「エコガラス」の対象となるのは、T1~T4の、熱貫流率1.5W/(平方メートル・K)超の性能のLow-E複層ガラス。アルゴンガス入りLow-E複層ガラス(中空層6mm)、Low-E複層ガラスなどが代表的なガラス仕様となる。

「住まいの省エネ化が求められる中で、新築一戸建住宅におけるLow-E複層ガラスの普及率は年々増加し、2017年には8割を突破した。ただ、Low-E複層ガラスの中にも、より高性能なものがある。エコガラスSの制定により、よりグレードの高いLow-E複層ガラスの断熱性能を分かりやすく区分することで、高性能品へのシフトを促していきたい」(板硝子協会)。

図1 エコガラスS、エコガラスの区分
図2 エコガラスとサッシの組み合わせの例
図3 外皮熱貫流率と窓の熱貫流率の例

ZEH、ZEH+の基準をクリアエコガラスSが最適

エコガラスSは、より省エネ性能の高いZEHやZEH+の実現に向けても、開口部を選択する上で分かりやすい判断材料となる。

(一社)日本建材・住宅設備産業協会は、ZEH基準適用仕様例などをまとめたテキスト「ZEHのつくり方」を公開、その中で「外皮熱貫流率と窓の熱貫流率の例」(図3参照)を示している。

 それによると、省エネ地域区分の1地域から3地域におけるZEHの外皮強化基準、または、ZEH+の「更なる外皮強化基準」を満たすためには、窓の熱貫流率は、1.9W/(平方メートル・K)以下、つまりエコガラスSで区分される高性能Low-E複層ガラスを用いることが最適であることが分かる。

快適性向上、健康維持増進にもエコガラスSが貢献

エコガラスSは、住まいの快適性向上、居住者の健康維持向上にも貢献する。

近年、住宅の温熱環境が居住者の健康状態に影響を及ぼすことが明らかになってきている。

例えば、居室と廊下、トイレ、浴室などとの間で、温度差が生じる住宅では、とくに冬期、居室間の移動によりヒートショックのリスクが高まることが指摘されている。居室間の急激な温度変化により血圧が激しく変化し、場合によっては、心筋梗塞や脳血管障害を引き起こし、死に至るケースもある。

そこで、「エコガラスS」グレードの高性能Low-E複層ガラス、断熱サッシの導入、あるいは他の外皮性能の強化により、住まいの断熱性能を高め、居室間で温度ムラのない住まいを実現することでヒートショックリスクを抑制し、快適性、健康面においても大幅な改善効果が期待できそうだ。


板硝子協会
http://www.itakyo.or.jp/

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特集:

住産業はどう対応する?

社会が大きく変わりつつある。
環境対策は待ったなしの緊急課題で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが急展開している。
少子高齢化は、わが国の人口構成を大きく変え、これまでになかった社会を迎えつつある。
また、地震や台風などの自然災害の激甚化・頻発化は気候変動への対策とあわせ、その対策が強く進められつつある。
さらにコロナ禍は、働き方改革やデジタル化を好むと好まざるとにかかわらず、強制的に進めることになった。
こうしたなかで人々の暮らしも変わりつつある。
生活を支える住産業は、こうした変化にどのように対応していくのか──。
各省庁がまとめた白書をベースに、さまざまなデータを紐解いた。

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