積水ハウス、SPCと契約結び道の駅プロジェクト本格始動
15カ所・1152室のホテルを開発
積水ハウスは、地方創生事業「Trip Base 道の駅プロジェクト」で、6府県15施設のホテルを開発する特別目的会社(SPC)と匿名組合契約を締結。プロジェクトが本格的に動き出した。
同プロジェクトは「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、新しい体験型の旅のスタイルを提案。この中で核となるのが道の駅に隣接するホテル事業だ。
国土交通省によると、道の駅は全国で1160駅(2019年6月現在)。観光地などの周辺に設けられているが、近隣に宿泊施設がないことも少なくない。道の駅周辺はそれぞれ特長のある観光資源もある。隣接地に宿泊施設を作ることで、文化や風習、暮らし、食など地域資源を活用したサービスを提供。これまで休憩や通過点であった道の駅が、観光資源のネットワークのハブになる。
ホテルは、マリオット・インターナショナルの手掛ける「フェアフィールド・バイ・マリオット」によるロードサイド型として展開。ホテルの最大の特長は施設内に飲食店を設けていない点。交流スペースやエリアにバーベキュースペースなどを設け、地元食材を楽しんでもらう狙い。「インバウンド需要で、海外からの観光客が地場食材のおいしさを知り、それをSNSなどで発信することで、日本の若者がそれを見て地方のすばらしさを再発見するようになればいい」と同社は期待する。
積水ハウスは、SPC「合同会社ニューツーリズム・トリップベース1号」と先月、匿名組合契約を結び、出資を実施した。同SPCは、同社を含む11団体からの出資を受け組成。ホテル運営会社と建物賃貸借契約、道の駅の設置者である市町村などと土地賃貸借契約、同社とプロジェクトマネジメント契約や設計・施工契約を結ぶなど、同プロジェクトの事業主体としてホテル開発を行う。
ファーストステージでは2020年秋以降に6府県15ヵ所、1152室の規模でロードサイド型ホテルをオープン。その後、順次全国に展開する予定で、ステージごとにSPCを組成する計画だ。「3、4階のホテルはβシステム構法で建てる」(積水ハウス)ことから、非住宅での新たな分野として注目されそうだ。
開業予定地は以下の通り(かっこ内は近接道の駅)。◇栃木県=宇都宮市(うつのみや ロマンチック村)、茂木町(もてぎ)、日光市(―)◇岐阜県=美濃市(美濃にわか茶屋)、郡上市(古今伝授の里やまと)、美濃加茂市(みのかも)、高山市(桜の郷荘川)◇三重県=御浜町(パーク七里御浜)、大台町(奥伊勢おおだい)◇京都府=宮津市(海の京都 宮津)、京丹波町(京丹波 味夢の里)、南山城村(お茶の京都 みなみやましろ村)◇和歌山県=すさみ町(すさみ)、串本町(くしもと橋杭岩)◇奈良県=天理市(なら歴史芸術文化村・登録申請予定)。
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