東京ゼロエミ住宅の詳細明らか
事業スタートは秋以降 ZEH補助との併用は不可
東京都が推進する新事業「東京ゼロエミ住宅」の詳細が徐々に明らかになってきた。
東京都は、「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」を開始する。国で定める省エネルギー基準よりもエネルギー消費量を3割程度削減した「東京ゼロエミ住宅」の新築購入資金を支援する。
東京ゼロエミ住宅の事業スキームについては、東京都から業務委託された(公財)東京都環境公社が事業主体となり、助成金交付を行う。また、東京ゼロエミ住宅の仕様認証業務は、登録性能評価機関が担う。( 一社)JBN・全国工務店協会と全建総連東京都連合会が共催した「東京都 ゼロエミ住宅 仕様&導入促進事業説明会」で登壇した東京都環境局の職員は、「いつ建てられた建築物が対象になるのか、仕様認証申請にどのような書類の提出を求めるのか、詳細を詰めている。仕様認証申請については登録性能評価機関の体制が整い次第開始したい。現場検査などは求めず、BELS相当の手間、コスト感を考えている。平易にスピード感をもって進められるようにしたい」とし、事業の開始時期については「5月は厳しく、秋口くらいになる予定」と述べた。また、国のZEH補助との併用は不可とした。そのほかの住宅関連の補助制度との併用については、「縛りを設けすぎると使いにくいものになるため総合的に検討し決定する」(都環境局職員)。
仕様通りで省エネ基準3割削減
中小工務店も高い関心
また、都環境局の職員は「都の地域特性を踏まえた住宅の環境性能向上策として東京ゼロエミ住宅を推進していきたい」と説明。とくに都内の戸建住宅では、高地価による狭小な土地利用や高い建設費などが影響し、環境性能向上の取り組みが進みにくいという実態がある。2017年度の都内のZEH普及率は約1%と、全国の約3%に比べて低い水準に留まる。また、中小工務店などは、ZEH申請に必要な一次エネルギー消費量および外皮計算などを手間に感じ、二の足を踏む事業者も多い。そこで、中小事業者や都民にわかりやすい独自の「東京ゼロエミ仕様」を推進し、住宅の環境性能向上を促す。
JBNの池田浩和理事(岡庭建設専務取締役)は、「ゼロエミ住宅は、仕様通りに建てることで、どのように組み合わせてもおおむね省エネルギー基準から3割削減できる画期的な仕組み。住み始めてからのランニングコストの低減効果を含めて、推薦していくことが重要ではないか」と述べた。
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