広島建設、中古マンションのリノベーション事業に参入
エキチカで利便性を求める中堅層へ販売訴求
広島建設が中古マンションのリノベーション事業に参入した。2月にモデルルームをオープン、主要駅から徒歩8分以内のいわゆる「エキチカ」の利便性を求める中堅所得層をターゲットに、新たな事業の柱として育てる考えだ。
千葉県を中心に東京都や埼玉県の一部で年間600棟の注文住宅を供給する広島建設が、新規事業としてマンションのリノベーション事業の本格展開を開始した。買取再販を含めた中古マンションのリノベーション市場が活況を呈するなか後発の参入となるが、中古マンション仲介と組み合わせることで独自色を打ち出す。
リノベーション事業のブランド名は「セナリノベ」。駅から8分以内の利便性の高い立地に住みたいという中堅所得者に向けて、築浅中古マンションと同じ価格帯で、築古の中古マンションを仲介+リノベーションすることで、希望の立地で住まうことのできる新しい住まいの形を提案する。
「駅近で、自分らしく住まう」がブランドメッセージだ。リノベーション事業への参入に伴い、同社は全国200拠点を超えるボランタリーチェーンネットワークを展開するリノベ不動産に加盟した。
ユーザーに対して好立地の中古マンションを提案、リノベーションは間取りの変更は自由で、床や壁などの内装や建具はコンセプトごとにまとめた6つのパッケージから選択する。「リノベーションはインテリアにこだわる人が多く、パッケージにしたほうがあまり迷わずにすみ、スピード感を持って提案できる」とセナリオハウス京葉事業部 セナリノベグループ店長の鈴木剛氏は話す。時間を掛けて決めていく注文住宅を得意とする同社だからこそ、リノベーション事業ではスピード感を意識する。
価格帯は、中古マンション購入+リノベーションで3000万円以内を想定しているが、リノベーションについては「定額制も検討したい」(同氏)など、分かりやすさを提供していく。
2月にオープンしたモデルルーム(千葉市花見川区)は、築32年のマンションをリノベーションしたもので、総武線新検見川駅から徒歩4分程度。間取りは2LDK+書斎+納戸+WICで、専有面積81平方メートル、価格は2680万円。2月中旬に販売を開始したが、問い合わせが相次ぎ、評判は上々という。「こうしたモデルルームも公開しながら、セナリノベの露出を高めていきたい」(同氏)と、モデルルームを常時2、3戸準備していく考え。
同社は、女性の社会進出が進み、「家事ラク」や「時短」など利便性の高い住まいのニーズが今後さらに増加すると想定。注文住宅で培った提案力を活かしながら、リノベーション事業を早期に軌道に乗せる考えだ。
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