【忙中閑 / 閑中忙】YKK AP 取締役・吉田忠裕さん

会長を降り、お暇になりましたか?

YKKグループの総師、吉田忠裕氏がYKKとYKK APの代表取締役会長を降り、平の取締役に就任してからほぼ4か月。少しは暇になったのか、それとも相変わらずの忙しさなのか。ご機嫌伺いを兼ねて、訪問してみると──。新たな仕事を見出して、ますますの意気軒昂ぶり。人生100年時代、経営者の新たな道の在り方もちょっぴり示唆しているようで。

──会長を降りられてどうですか。社長、会長を28年ほどやられたわけで、社内外共に戸惑いもあったのでは。

吉田 以前から70歳をいわば取締役の上限年齢と考え、さらに余人をもって代えがたいという場合は73歳までと口にしてきました。70歳になった私がそれを守らないわけにはいきません。まずは会長を退いたわけです。最初は、社員たちも私のことを何と呼んでいいのか戸惑ったようですが、最近は「吉田取締役」と呼ぶことに慣れてきたようです。私も違和感はありません。ただ、取締役会は、緊張感が出ています。これまでは、取締役会での決議事項の議案審議は事前に説明を受け、承知していたわけですが、今度はいわばぶっつけ本番。初めて説明を受けるわけで分からないことも出る。「君たちの説明よくわからない。もっと的を絞って説明してくれ」などと注文することになる。取締役会用の分かりやすい資料も提出される。ある意味、新鮮ですよ。取締役会の存在、効果もはっきり認識することになります。まあ、意地悪な取締役が増えたという見方もあるでしょうがね(笑)。


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