2018.8.8

住まいを彩る外装材の潮流 “陰影”で勝負!

スタンダードな白・ベージュ系に、こだわりの黒が急成長

住宅に対するニーズの多様化・高度化が進むなか、“こだわり”が重要なキーワードとなっている。それが顕著に表れるのが住宅の外観であろう。そのイメージを決定づけるのが外装材である。デザイン、色、素材感などさまざまな要素が住宅の外観を彩る。外装材の“今”を各社の商品動向とともに追った。

住宅の外観スタイルは、長くナチュラルモダンと呼ばれるシンプル系がメインとなっている。ケイミューによると首都圏ではシンプル志向のデザインが約8割を占める。また、ニチハがWebで行っている人気ランキングでもシンプルな流れを汲むコンテンポラリースタイルのデザインが上位となっており、現在の日本における一般的な住宅デザインになっている。こうしたデザインを中心に和風や洋風など、趣味・嗜好やライフスタイルなどによってさまざまな住宅デザインが存在する。

外装材の商品開発、また、そのアピールの仕方は外装材のデザインそのものの訴求はいうまでもないが、こうしたライフスタイルや嗜好に基づく住宅スタイルにあわせた提案が積極的に行われている。

例えば、LIXILでは、住宅デザインを「グレイス」(邸宅感)、「プレーン」(ナチュラルモダン)、「ミニマル」(シンプルモダン)、「インディビティ」(インダストリアル、南欧風など)、「クラシック」(和風)、「クラシック」(洋風)というスタイルにカテゴライズし、それぞれにあった商品開発を進めている。旭トステム外装も、このスタイルならばこの外装材がお薦め、このようなコーディネートが映える、といった“コト”提案を進めている。

主流となっているシンプル系の住宅スタイルにおいて「ハウスメーカーで1棟当たり単価がアップしていることに加え、近年18 mm厚品の比率が高まってきている」(ケイミュー)と、高級志向が強まっている。

こうしたボリューム層の高級志向の高まりに向けて、ケイミューが発売した次世代外装パネル「レジェール」は21mm厚で、最大9mmという深彫りが大きなポイント。表情豊かな陰影を生み、特に出隅部分は建物の輪郭が際立つ。全5柄・各4色を揃えるが、カタログでは朝、昼、夕方、夜の写真を掲載し、光の加減で表情が変わることを訴えている。また、陰影によってシーリングが目立ちにくいことも外観の高級感を高めている。


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