日本郵政は、不動産事業の強化に向けて、新たに「日本郵政不動産株式会社」を設立した。グループ全体で2.7兆円もある保有不動産を活かした不動産事業を進めていくだけでなく、将来的には新たな土地取得を伴う開発事業も視野に入れていく方針だ。

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日本郵政グループでは、現在、土地1.5兆円、建物1.2兆円、合計2.7兆円もの不動産を保有している。このうち、大半は地域の郵便局などとして活用されているが、好立地の場所に活用の余地がある不動産も数多く保有している。

近年、こうした保有不動産を有効活用し、商業施設「KITTE」やJPタワーなどの開発を進めてきている。

また、現在、東京の五反田や麻布、さらには大阪中央郵便局の跡地などを活用した開発計画も進んでおり、麻布のプロジェクトでは、森ビルと共同で事業を進めようとしている。

こうした不動産事業の強化に向けて、2018年4月2日に新たに日本郵政不動産を設立した。設立時の資本金は15億円で、従業員は約50名。社長には、三井不動産グループから日本郵政の副社長に就任した岩崎芳史氏が就任。

日本郵政の長門正貢社長は、「スピード感を持って営業の大きな柱にしたい」と語っており、不動産事業に特化した新会社を設立したことで、今まで以上に事業を活性化させていきたい考えだ。

他社との共同開発、M&Aなども

これまで不動産事業を手掛けるなかで、不動産事業に関するノウハウや人材なども蓄積されているが、不動産事業に特化した人材の育成などを推し進めていくためにも、新会社の設立が必要と判断したという。また、同グループ内には130名強もの一級建築士も在籍しており、こうした人材も有効に活用していきたい考えだ。

今後の不動産事業については、場合によっては新会社の方で土地を引き取ることもあり得るが、基本的には不動産は各グループ会社が保有した状態で、新会社が開発プロジェクトの計画の立案などを行っていくという。

また、当初は日本郵政グループが保有する不動産の有効活用を図っていくが、将来的には新たな土地取得を伴う開発事業なども検討していくほか、他社との共同事業にも取り組んでいきたい考え。さらに、将来的なM&Aの可能性にも言及している。

同グループでは、野村不動産ホールディングスの買収を検討していたという報道もあり、今後、不動産開発の分野で新風を吹き込むことになりそうだ。

「スピード感をもって不動産事業を営業の柱にしたい」と語る長門社長

新会社の概要