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東急不動産、学生レジデンス事業へ本格参入 少子化が進むなか学生向けビジネスを展開

2018年度、6棟を開発へ

東急不動産は学生レジデンス事業の第1弾となる「CAMPUS VILLAGE(キャンパスヴィレッジ)椎名町」を竣工した。同社はこれをきっかけに学生レジデンス事業へ本格参入する。グループ会社の学生情報センターがもつノウハウを活かし、他事業とのシナジーを見込める新たな事業領域として展開を強化していく。

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東急不動産は、学生レジデンス事業の第1弾としてかねてより開発を進めていた「CAMPUS VILLAGE椎名町」を竣工した。3月より入居を開始する。

学生レジデンス事業は、都心への学生の流入や女性の大学進学率の上昇、留学生の増加などを背景に他事業とのシナジー効果が見込めるとして、同社が新たに注力していきたい事業のひとつだ。少子化が進む日本において、学生をターゲットにした事業は難しいように思えるが、実際はそうとも言い切れない。

文部科学省の統計情報を見ると、少子化は進んでいるものの全国の学生数は2009年に370万人を割り込んだのを最後に2010年から2016年まで370万人をキープしている。大学進学率も増加傾向にあり、大学生の数は前年度より1万3000人も増加した。

また、留学生も緩やかな増加を続けており、2004年の11万7000人から2016年には15万2000人に達している。文部科学省が「留学生30万人計画」を掲げていることもあり、2020年以降は30万人を超えるまでに増えると予測されている。同社はこうした背景から少子化や人口減少が進む日本にあっても学生数は横ばいを維持すると推測している。

加えて、駅から近い土地は分譲マンションや賃貸マンション、商業施設といった建物と競合するが、学生レジデンスに関しては必ずしも駅から近い土地でなくても大学から近ければ需要が見込めるため、これまで活用が難しかった土地でも開発の検討が可能となる。

昨年度、同社には学生マンションや学生寮の管理・運営を行う学生情報センターがグループ入りした。同社は開発による利益確保だけでなく、学生レジデンスを開発することで管理・運営に関する収益も確保できるとして本格参入に乗り出した。

西武池袋線東長崎駅より徒歩7分に立地するCAMPUS VILLAGE椎名町

ニーズを汲み取った仕様ですでに7割の入居が決定

この度竣工したCAMPUS VILLAGE椎名町は、西武池袋線東長崎駅から徒歩7分の閑静な住宅街に立地している。元々は工場跡地で、約3年前に土地を取得した。

建物は鉄筋コンクリート造の6階建てで、1階にカフェテリア、各階に共用のリビングキッチンを用意している。5階は女性専用フロアで、それ以外は男女混合フロアとなっており、共益費を除いた賃料は5万5000円~7万7000円。エントランスと各フロアへの入り口はオートロックになっており、各居室はカードキーによるセキュリティを採用した。

居室はコンパクトだが、全体の約7割をバスとトイレが別のセパレートタイプにし、残りの3割にユニットバス、シャワーだけのタイプを用意した。室内にはベッドや机、椅子、照明、カーテンなどが備え付けられているほか、インターネットも無料で使用できる。そのほか、月額1万7000円を上乗せすれば栄養士が健康に配慮して献立を考えた平日の朝夕食もつく。

昨年の10月から入居募集を開始し、2月中旬の時点で約7割の入居が決まっている。3種類の部屋タイプを用意していることに加え、トランクルーム、防音室、宅配ロッカーなどといった学生のニーズを汲み取った仕様により、高い入居率を確保することに成功。入居者の男女比率は半々で、池袋に近いこともあって立教大学や早稲田大学、日本女子大学などの大学生が多いという。今後は学生情報センターが中心となってウェルカムパーティやサッカー観戦などのイベントを企画することで、学生のコミュニティの形成も図っていく予定だ。

入居を決めた三重県在住で高校3年生の女子学生は「料理が苦手なので食事が付くのはうれしい。一人で上京することには不安もあるが、同じ境遇の人も多いと聞いたし共有スペースが広いので友達ができそうでわくわくしている」と話す。

開発が決定しているキャンパスヴィレッジ京都西京極の外観イメージ
1階のカフェテリアではコミュニティの形成を図るために学生情報センターが中心となってイベントなどを企画する

事業拡大へ意欲
2018年度中に6棟開発へ

同社はCAMPUS VILLAGE椎名町のほかにも、すでに第2 弾プロジェクトとして東京メトロ南北線「志茂」駅から徒歩8分の隅田川沿いの開かれた立地に、8階建て232室の新たな学生レジデンスの開発を行っている。また、京都市右京区でも鉄筋コンクリート造7階建て、115室の「キャンパスヴィレッジ京都西京極」の開発を行うことが決定している。2018年度だけで6棟開発する予定だ。

同社住宅事業ユニット首都圏住宅事業本部住宅ソリューション部統括部長の恒吉毅氏は「需要は十分にあると思っている。東京圏だけでなく、京都・大阪・名古屋など学生の集まる都市で、1物件100~150戸規模で開発していきたい」と話す。

学生向け賃貸住宅の開発に力を注ぐのは同社だけではない。小田急グループも湘南台駅前に学生向けレジデンス「NODE GROWTH(ノード・グロース)湘南台」を開発し、3月から入居を開始する。こちらは「コミュニティを育む学生レジデンス」をコンセプトに、共有スペースで地域住民が参加するイベントを開催するなど、コミュニケーションスペースの創出に力を注ぐ。

首都圏での学生向け住居は安定的な需要があるという。こうした動きは今後、活発化することが予想される。

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2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
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