木造化の次の有望株は宿泊施設 軸組やツーバイフォーの木造ホテルが続々
外国人旅行者急増の追い風も
老健施設や保育園などに次ぐ木造化の有望株として宿泊施設が注目を集めている。実際に、軸組工法やツーバイフォー工法で木造ホテルを建てる事例が相継いでいる。
近年、拡大する木造建築市場だが、建物の用途別に見ると、老健施設・福祉施設や、保育園などが大半を占めている。木造ならではの快適な住環境が、利用者のニーズにマッチしているほか、建築費の高騰や職人不足などの要因により、木造の優位性が顕在化し始め、口コミでさらに評判が広がるという波及効果が生まれている。さらにここにきて、外国人旅行者数が急増するなかで、都市部、地方を問わず、木造優位の追い風を、ホテルなどの宿泊施設の市場にも吹き込もうという動きが活発化している。
中大規模の低層ホテルを木造化
建材メーカーのノダは、中大規模木造市場向けにプレカットした構造材と接合金物などをセットで提供する「BIG-MJ SYSTEM」の提案を強化しているが、現在、長野県・軽井沢で建設中のホテルに、同システムが採用された。同システムでは、在来軸組工法を合理化する梁受け金物「HSS金物」を採用。(財)日本建築センターの接合部評定取得済みのHSS金物を、一般流通する集成材などと組み合わせて使用することで、建設コストを大幅に削減できる。今回の軽井沢の案件では、全16 棟、合計2871坪にのぼる低層ホテルを木造で建設する。完成は2018年6月の予定。
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