2017.10.13

ZEH普及へPV設置コストゼロ提案が加速

LIXILと東電がZEH普及へ新会社 米国発の第三者所有モデルの提案も

ZEHの普及へ向けて、課題となっている太陽光発電システム(PV)の設置コストを実質無料とする提案が活発化している。LIXILと東京電力が新会社を設立し、こうした提案を開始。一方で、米国で普及している「第三者所有モデル」という新たなビジネスモデルを通じて、PVの設置コストをゼロとしZEH化を促進する提案も出てきている。

官民を挙げて、ZEHを一般化させようとする機運が高まっている。だが、実際にはまだ新築注文住宅の数%に過ぎないというのが実情だ。ZEH普及を阻んでいる大きな課題はコストだと言われている。2016年度のZEHビルダーの自主目標が未達成である理由を見てみると、「顧客の理解を引き出せなかった」(14.7%)、「顧客の予算」(21.5%)と、ZEH化への掛かりまし費用に対する理解を得られないケースが多いことが想定される。掛かりまし費用のうち、特に太陽光発電システムの設置コストがネックになっていると言われる。このため、ZEH実現のために、PVの初期コストを削減する提案が活発化してきている。

「LIXIL TEPCO スマートパートナーズ」が設立。左から東京電力HD 小早川智明社長、東京電力EP 川崎敏寛社長、LIXIL TEPCOスマートパートナーズ 柏木秀社長、LIXIL 吉田聡 専務役員、LIXIL瀬戸欣哉社長 兼 CEO

例えば、こうした課題の解決を図るために、LIXILと東京電力エナジーパートナーはZEH普及へ向けた新会社「LIXIL TEPCOスマートパートナーズ」(東京都江東区、柏木秀社長)を9月に設立、10月に開業する。PV・高性能建材の販売と電力小売りサービスを組み合わせた独自のビジネススキームにより、PVの設置を含めZEHにするための掛かりまし費用を軽減する新サービスを提供していく。

具体的には、新会社が指定のLIXIL高性能商品(高性能なサッシ・ドア・構造体など)を採用しZEHを新築する人を対象に、PVを10年の割賦販売する。毎月の割賦支払費用については、新会社がZEH新築者のPVの余剰電力を取得し売電した収益を充当する。そうすることで、ZEH新築者は実質無料でPVを設置できる。「今回のサービスはZEHを対象とすることがポイント。ZEHなら住宅全体の消費電力量を少なく、余剰電力の売電量を多くできる。このため、余剰電力の売電収入でも10年でPVの設置コストを賄える」(LIXIL TEPCOスマートパートナーズ 柏木秀社長)。


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