建防協、新耐震住宅の耐震性能検証法を公表
接合部の状況を簡易的に確認 新耐震住宅でも耐震診断を求める
熊本地震で新耐震以降に建てられた住宅にも被害が広がったことを受けて(一財)日本建築防災協会(建防協)は、「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」を取りまとめた。所有者などでも簡単に接合部の状況などを確認できる検証法を用意することで、新耐震住宅の耐震診断の普及促進を図っていきたい考え。
2016年4月に発生した熊本地震では、旧耐震基準の木造住宅だけでなく、新耐震基準の木造住宅でも倒壊などの被害が発生した。その大きな要因のひとつが、柱脚や柱頭などの接合部分の強度不足や施工不良であった。新耐震基準については1981年6月に導入されているが、その後、2000年6月には柱脚や柱頭などの接合部に関する規定を明確化している。熊本地震で倒壊などの被害を受けた新耐震基準以降の住宅の多くは、接合部の規程が明確化された2000年6月以前に建築されたものや、規程通りに接合部分の施工が行われていない建物であった。そこで、国土交通省では、新耐震基準以降の木造住宅であっても、リフォームなどの機会を活用し、接合部などの状況を確認していくことを促していく方針を固めた。建防協が公表した検証法は、国土交通省の意向を受けて、新耐震基準以降に建てられた木造住宅の接合部の状況などを簡易的に確認するためのものだ。
検証法は、大きく「所有者などによる検証」と「専門家による効率的な検証」で構成されている。このうち「所有者などによる検証」は、耐震診断の専門的な知識がない住宅の所有者やリフォーム業者でも簡単に耐震性能を確認できるもの。「平面図・立面図の形」「劣化の状況」「接合部の金物」「壁の配置バランス」という4つのチェック項目について簡易な計算やチェックリストを用いて適合要件を満たしているか確認する。「所有者などによる検証」の4つのチェックリストのうちすべてに適合していれば「耐震性あり」という判定となる。
所有者からの情報にもとづき専門家が判定
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