時代に応え進化する塀、フェンス

危険な塀をゼロに、台風への備え、巣ごもり需要への対応も

時代の要請に応えて、塀やフェンスが進化している。大きなターニングポイントになったのは、2018年6月、大阪北部地震によりブロック塀が倒壊し、2人の死者を出す被害が発生したこと。これに伴い国はブロック塀の耐震診断を義務化。危険な塀を撤去、改修する動きが全国で広がっている。また、台風被害が頻発する中で塀、フェンスの耐風性能への要求も高まっている。さらに、コロナ禍により、おうち時間が長くなる中で、目隠しフェンスへの需要も増大。塀やフェンスの新商品開発が加速する。次代のスタンダードとして新規、改修での採用が増えていきそうだ。


2018年6月、大阪北部を震源とする地震で倒壊したブロック塀の下敷きになり、登校中の女児が死亡する事故が発生した。倒壊したブロック塀は、建築基準法施行令によって定められたブロック塀の高さ基準2・2m以内をはるかに超えていたうえ、高さ1・2m以上のブロック塀に設置が求められている控壁もない違法施工のものであった。

大阪で発生した地震被害により、危険なブロック塀が大きくクローズアップされたが、全国各地に違法に建てられたブロック塀や、施工不良や経年劣化などにより、危険な塀は存在すると見られている。

ブロック塀の耐震診断義務化
危険な塀は撤去、改修へ

こうした事態を受けて国土交通省は2018年8月、危険なブロック塀への対策強化に向け、耐震改修促進法の施行令を改正した。2019年1月に施行し、ブロック塀の所有者に対して耐震診断を義務化した。地方公共団体が指定した避難路に面し、1981年1月に耐震基準が強化される前に建てられたブロック塀が対象となる。

耐震改修促進法では、避難路に隣接する商業施設やマンションなどの大規模な建築物に対する耐震診断を義務づけているが、ブロック塀についても対象に加えた。

耐震改修促進法では、過度な規制となることを防ぐため、一戸建て住宅など、小規模な建築物については耐震診断の義務化の対象から除外しており、2019年の施行令改正でも同様に一戸建て住宅の塀は除外された。

ただ、どのようなブロック塀を耐震診断の対象とするのか、詳細な基準の設定は、地方自治体の判断に委ねられる。2020年3月以降、大阪府、東京都、愛知県、岡山県などにおいて、順次義務化が開始されている。

診断員の条件の講習会をWEB開催
全国で診断が完了するのは数年先

ブロック塀の耐震診断が義務付けられたことを受けて、耐震診断を担う人材確保に向けた取り組みが活発化している。

ブロック塀の耐震診断を進める上で中心的な役割を果たしているのは、(一財)日本建築防災協会(建防協)だ。国土交通省、国土技術政策総合研究所の協力の下、「既存ブロック塀等の耐震診断基準・耐震改修設計指針・同解説」を作成した。

また、このテキストを活用して、ブロック塀の耐震診断義務化に対応した耐震診断・耐震改修設計の担い手を育成するための「既存ブロック塀等の耐震診断に関する講習」を開催。受講対象者は、一級、二級建築士、木造建築士およびブロック塀診断士。義務化される耐震診断業務を担うためには、この講習を受講することが求められる。

2021年6月、建防協は「既存ブロック塀等の耐震診断に関する講習」の受付を開始した。コロナ禍の状況下であることから今年度の講習はすべてWEB開催となる。

業界関係者によると「文部科学省の指導を受けて、通学路などのブロック塀の点検、危険なものの撤去、改修は進んだが、高度経済成長時代から長い年月をかけて、ブロック塀は全国のいたるところに普及しており、大阪北部地震の被害から2年以上が経つが、全国で既存ブロック塀などの耐震診断が完了するまでには、まだ数年先までかかる見通し」であるという。

大阪北部地震後、
ブロック塀診断士の受験者急増

「既存ブロック塀等の耐震診断に関する講習」の受講対象者の一つ、ブロック塀診断士とは、造園、エクステリア工事事業など277社で構成する(公社)日本エクステリア建設業協会(JPEX)が運営する資格制度だ。会員以外も受講することが可能だ。累計資格取得者数は、一昨年頃までは、3000人程度であったが、大阪北部地震での事故を契機に受験者数が増加。現在約6000人にまで資格取得者数は増加している。

JPEXでは、「既存ブロック塀等の耐震診断に関する講習」を受講するブロック塀診断士に対して、講習内容を補足するセミナーなどを開催し、ブロック塀の耐震診断・耐震改修が円滑に進むようにサポートする。

施工技術が安全な塀を担保
ブロック建築・技能士の育成に注力

ブロック材メーカーで構成される(一社)全国建築コンクリートブロック工業会(JCBA)は、「建築基準法などを順守してブロックを施工すれば、阪神淡路大震災級の巨大地震が来ても倒壊しないことは、振動台実験で確認されている。ブロック自体に問題があるわけではなく、杜撰な施工方法に問題がある」という考えのもと、国家資格である「ブロック建築・技能士」の普及拡大に向けた取り組みを強化する。1級・2級はブロック建築工事のスペシャリストで、熟練の技を持つ証明となる。

公共工事において外構工事を担うには、1級・2級の資格取得者であることが求められる。

JCBAでは、施工事業者で構成するJPEXの会員企業などに資格の取得を呼びかけるほか、検定講習会に講師を派遣するなどして、ブロック建築・技能士の育成をサポートする。

JCBA事務局の塚原博氏は、「専門のブロック職人が不足している。『ブロック建築・技能士』は国家検定制度で、『技能士』と名乗ることができ、信頼ある技能で仕事を増やすことができる。とはいえ公共建築以外の案件では、誰でも工事を担えるという現状がある。ハウスメーカーや、エクステリアのプランナーなどに、『ブロック建築・技能士』をアピールして知ってもらい、安全・安心の確保のため、有資格者が工事を担うということを、業界全体の機運として高めていくことが重要になる」と話す。

業界団体が共同で
フェンス塀の設置基準策定へ

コンクリートブロック業界、アルミフェンス業界が連携して、新しい時代のフェンス塀の在り方を模索する動きも出てきている。JPEXが中心となり、JCBA、アルミフェンスのメーカーで構成する(一社)日本エクステリア工業会と協働で、コンクリートブロックとアルミフェンスを組みあわせる際の、設計の規格・規定づくりの検討を2021年7月からスタートする。

コンクリートブロック、アルミフェンスについて、それぞれ建築基準法施行令で定められた設計基準や、(一社)日本建築学会がまとめた設計基準は存在するが、2つの部材を組み合わせた設計基準は設けられていない。

大阪北部地震により、ブロック塀の安心・安全への関心が高まっていることに加えて、近年では、コロナ禍によりテレワークが普及したことに伴い、自宅で多くの時間を過ごす人が増え、目隠しフェンスの需要が急増。コンクリートブロックを2段程度積んだ上に目隠しフェンスを設置するフェンス塀を設置する事例も急増している。
さらに、近年、地球温暖化、気候変動の影響により毎年のように巨大台風が日本を襲う。

一般的なアルミフェンスに比べて、目隠しフェンスは風を通す隙間が少なく、台風による強風をダイレクトに受けやすく、目隠しフェンスを支えるコンクリートブロックが壊れ、目隠しフェンスが倒れるリスクはこれまで以上に高まっているという。

そこで、関連する3団体が、1つのテーブルにつき、これからの時代に求められる安全・安心なフェンス塀の設置方法、設置基準などを検討し、「1年以内には成果をまとめ、公表したい」(JPEX・安光洋一副会長)考えだ。

より強固な構造の新ブロック塀
次代のスタンダードに

時代の要請を受けてコンクリートブロックメーカーは、より高いレベルの安全・安心を目指した新商品開発の動きを加速する。

ユニソンが構造強度を高めた新ブロックとして販売を強化する「TAURA(タウラ)」。連続フェンスにも安心して使用できる。同社オリジナルの目隠フェンス「BLID(ブライド)」と組み合わせた

中部・関西エリアを中心にコンクリートブロックのトップシェアを持つユニソンは、関東エリアでトップシェアを持つエスビックと共同で、より強固な構造のコンクリートブロック「TOUGHTO(タフト)」を開発し、2020年4月に発売した。「タフ(頑丈)」と「タクト(指揮棒)」を組み合わせて命名した。「より強固で頑丈な方向に、導いていきたいという想いを込めた」(ユニソン・中部営業部部長 三宮隆司氏)。

開発に当たり、課題として設定したのは、やはり需要が急増しているフェンス塀を設置する際に、いかに十分な強度を確保できるかということだった。従来のブロックの構造では、強風にフェンスが煽られた際に、柱を通じてブロックに力が加わり、ひび割れる、破損するといった被害が発生するリスクが高いのだ。

その解決策の一つとして採用したのは、ブロックの構造を見直し、鉄筋を挿入する空洞部を、従来品よりも一回り大きく確保すること。これにより、フェンスの柱を設置した際も十分にモルタル充填することができ、強風で煽られたフェンスの柱を粘り強く支える効果を発揮する。JISと日本建築学会の基準に適合しており、風速40mの風にも耐えられる。連続フェンス塀としても安心して利用することが可能だ。

また、空洞部をより大きく確保し、より多くのモルタルを充填できるようにしたことで、縦配筋、横配筋をより厚く覆うことができるようになるため、雨水の浸入などにより、配筋が錆び、強度が低下することが起こりにくく、ブロック塀の長寿命化にも寄与する。

さらに、フェンスの柱の動きに対するブロック内部の強度を高めただけでなく、JISで規定されるコンクリートブロックの最高ランクの強度も持たせ、外からの飛来物などに対する強度についても従来品よりも高めた。

ユニソンはエスビックと共同で、TOUGHTO(タフト)」の開発をきっかけに、JISと建築学会の基準に適合したブロックであることを示す「SFマーク」も新たに創設した。今後、SFマーク適合の商品のラインアップを増やしていきたい考えだ。2021年4月には、ランダムな文様を施し、意匠性を高めたブロック「TAURA(タウラ)」を発売。タフトと同じ考え方で強固な構造を実現した新商品だ。三宮部長は、「タフト、タウラといったSFマークの付いた安全・安心なブロックを、次代のスタンダード商品となるよう、販売を強化していきたい」と話す。

目隠しフェンスの需要急増
台風対策で耐風圧性能向上も

地震や台風などの自然災害を踏まえ、ブロック塀に対する不安が高まる中、フェンス各社はその置き換えを狙い、新商品開発を加速する。また、前述したように、おうち時間の増加により、目隠しフェンスの需要も急増しており、ブロックと組み合わせたフェンス塀の提案も活発化している。

LIXILは、2020年4月、フェンスの耐風強度の向上を図った。従来品は風速34m/秒相当であったが、柱ピッチを2mから1mにすることで、耐風圧強度を業界最高ランクの風速42m/秒相当まで高めた。

売れ筋は「フェンスAB」である。耐風圧強度を高めると共に、目隠しをしながら通風の快適性を高めたもので、デザイン体系を見直し、目隠しデザインの充実を図った。全8デザイン・19タイプをラインアップする。

窓や玄関ドアとともに統一感のある住宅外観を演出可能なYKK AP の「ルシアス フェンス」。耐風性能の向上を図りリニューアルした

YKK APは2021年6月、建物と一体の外構を創出する木調フェンス「ルシアス フェンス」をリニューアルし、デザイン・カラーを拡充するとともに、施工性と耐風性能の向上を図り、販売を開始した。

フェンス塀としての活用を考慮して、フェンス本体幅をブロックモジュールに合わせて1975mmから2000mmへ変更し、連結施工してもブロック連結部や端部にズレが発生しないように配慮した。また、コンクリートブロックを高く積み上げることなく高さを確保して目隠しが可能なT140・T160サイズの対応デザインを追加した。

さらに、安全・安心への備えとして耐風性能強化を図り、標準の風速34m/秒相当に加えて、風速42m/秒相当をT60〜T120の主要デザインに展開し、強風地域でのデザインの選択肢を大幅に広げた。

三協立山・三協アルミ社は、2021年2月、風速36m/秒相当を標準装備した標準装備した形材フェンス・形材門扉「レジリア」を発売。さらに、支柱の間隔を通常の2000mmから1000mmに変更することで、耐風圧強度を風速42m/秒相当へと強度アップできる。

三協立山 三協アルミ社の形材フェンス・形材門扉「レジリア」。自然災害に備えた「耐風圧性能」とコロナ禍での「使いやすさ」を追求

また、コロナ禍により、プライバシーを重視した目隠しフェンスの需要が高まっていることから、最大高さ2400mmまで対応する「レジリアハイタイプ」もラインアップした。

より高いレベルの安心・安全を
新分野の塀提案が活発化

ここにきて、ブロック塀とは異なる、新分野の塀の提案も活発化しており、より高い安全・安心を求めるユーザーから支持を獲得し始めている。

太陽エコブロックスは「RM塀」の提案を強化。打ち込み目地工法の採用で、目地モルタルが不要で施工のスピードアップが図れる。品質管理もしやすい

太陽エコブロックスは、2003年に告示化された、鉄筋コンクリート組積(RM)造による「RM塀」の提案を強化する。RM造では、RMユニットを組積し、空洞内へ配筋後、グラウト材を充填し、壁式耐力壁、壁梁及び基礎梁などをつくる。RMユニットの圧縮強度は40N/㎟以上で、一般のブロックとは規格が違う。大阪北部地震をきっかけに、ブロック塀をRM塀に代えていこうと提案をスタートした。

ブロック塀との大きな違いは、品質管理がしやすいこと。同社の石井宏和専務は、「ブロックは現場でモルタルを調合する必要があり、職人の経験の技術により、施工品質にばらつきが生じやすい。ブロック塀は目地の間に10mmほどのモルタルを施工する必要があるが、RM塀では、打ち込み目地工法の採用により、目地モルタルが不要となり、施工のスピードアップが図れる」と説明する。その他、布基礎が不要、壁体内の鉄筋の継ぎ手が可能といったメリットも有する。また、構造検討した上で、控え壁を設置しなくてもよいという規定もある。

RM塀の普及拡大に向け、資格制度の創設も視野に入れる。同社の石井克侑社長が代表理事を務める(一社)日本RM建築協会を事務局に、RMユニットや充填材料などの販売を管理するRM販売士、また、材料の受入検査から施工管理を行うRM施工管理技師などの創設をイメージしている。「RMユニット自体の安心感のみならず、RM塀に関する資格制度を創設し、資格を取得した人のみが材料を扱い、施工できる環境を整備することで、より高いレベルの安心・安全を売りにして、RM塀の普及拡大を図っていきたい」(石井専務)。

国内唯一のPCコンクリート塀
多種多様に使用できる出世基礎も

コンクレタス(大分県大分市、池永征司社長)は、2018年の大阪北部地震後、国内で唯一となる基礎一体型プレキャストコンクリート塀「塀のねっこ」を開発、商品化した。「塀のねっこ」製造のノウハウを、コンクリート製品のメーカーに提供し、製造を委託し、自身はファブレスメーカーとして「塀のねっこ」の販売を強化する。

コンクレタスが開発した基礎「出世基礎土地分け丸」。土地境界ブロック、ブロック基礎、フェンス基礎として多種多様に使用できる

池永社長は、「ブロック塀の問題は、主に基礎と鉄筋にあり、適切な基礎ではないこと、鉄筋の腐食により倒壊・転倒が発生している。『塀のねっこ』を開発するにあたり、L型の基礎の形状だけでなく鉄筋も含めた開発を行い、安全性を確保している。金沢工業大学と共同研究を行い、熊本地震の波形を用いた震振動実験において、転倒しないことを確認している」と話す。

2021年4月には、土地境界ブロック、また、ブロック基礎、あるいはフェンス基礎として多種多様に使用できる基礎「出世基礎 土地分け丸」を開発した。

宅地造成や住宅新設の際、境界ブロックとして敷設できる。I型と、より強度を高めたL型を用意。最小サイズは人力施工も可能で、I型を用いれば、狭小地でも対応できる。また、その後、専用の鉄筋を差し込むことで、後工事で、安全なブロック塀を建築できる。フェンス基礎としても使用可能だ。こうした特性を持つことから出世基礎とも命名している。

国産材活用、景観整備に
木塀で新規需要を開拓

安全性確保に加えて、国産材活用、景観整備に寄与する点をアピールして、木塀を商品化し、新たな市場開拓を目指す動きも活発化している。

2018年の大阪北部地震による木塀倒壊の事故後、国や自治体が、危険な塀を撤去した後に木塀を採用する場合の費用を補助する制度を拡充する動きも追い風となっている。

東京都は2020年3月、ブロック塀等安全対策促進事業補助金交付要綱を改正。危険な塀を撤去し木塀を設置する事業者に対して、工事費用の一部、普及啓発活動に要する経費などを補助する。

林野庁は、「外構部の木質化支援事業」を展開。クリーンウッド法に基づき合法性が確認された合法伐採木材を使用して塀などを施工する場合、塀等の延長1m当たり3万円を助成することなどが盛り込まれている。

こうした追い風を受けて、ザイエンスは、軽量で安全性の高い木塀を商品化し、案件に応じて、建築基準法や道路標識設置基準などに対応した構造検討を実施し、安全性を確保するサービスと併せて、販売を強化する。

クリーンウッド法に基づいた合法木材(国産材)を保存処理したAQ1種認証材を使用。柱は、木材を標準とし、高い耐久性を備える鋼材の選択もできる。デザインと柱・サイズの組み合わせによる12種類の標準パターンを設定。このパターン以外にも設置場所に応じたオリジナル設計や、地域産材の活用にも柔軟に対応する。

同社では、木材保存処理のノウハウを生かし、主に歴史公園などの風致地区で、外構やエクステリアの整備事業を手掛けてきた豊富な実績を持つが、今後は市街地・街区公園・動物園・マンション・公共建築の外構など、さまざまな箇所へ、木塀の普及拡大を図っていきたい考えだ。

複数素材を適材適所に組み合わせ
「プレミアム木塀」を開発

複数の企業が共同で開発した「プレミアム木塀」。パネル化し、工場製造することで、品質確保、工期短縮を実現した

兼松サステック、太陽エコブロックス、シネジック、奥井組は、早稲田大学の高口研究室と共同で、安心・安全でサステナブルな木塀「プレミアム木塀」を開発し、2021年5月から販売を開始した。

基礎には、太陽エコブロックスのRM造(鉄筋コンクリート組積造)、また、鋼製フレームには、優れた耐食性を有する高性能メッキを採用。さらに、国産スギを使用し、兼松サステックのAZN乾式加圧式木材保存処理を施した。耐久性を高める塗装を採用し、塗り替えを適切に行うことで長寿命化を実現できる。木塀による高い意匠性が、都市と自然に調和する美しい町並みの創出に寄与する。さらに、パネル化し工場製造することで、品質の確保、工期短縮を実現した。人が持てる重量に抑えることで、簡単に施工でき、重機が入らない狭所での施工も行える。施工後、パネル単位の交換も可能だ。加えて、シネジックのビスを採用することで、部分的に劣化した木材の取り換えも簡単にできるように工夫した。その他、RC塀に比べて、プレミアム木塀の方が、蓄熱性が小さいため、周辺環境の温度上昇を抑制することも実験データから分かっている。

「早稲田大学の高口研究室の監修のもとプレミアム木塀を開発し、強度性能、耐風性能などのエビデンスのデータも充実している。より高い安全性が求められる、特に公共建築などに設置する際には、非常に適した商材になっている」(兼松サステック・渡邊氏)。

大阪北部地震をターニングポイントに、塀、フェンスは大きく変わり始めている。安心・安全を確保するためのものが、選択のミスで重大なリスクを抱え込むことにもなりかねない。進化する塀、フェンスを知り、適材適所に使用していくことが求められている。

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