リコー、360°カメラに現場での操作性を向上した新作を投入
不動産営業や建築現場の進捗管理など、さらなる効率化を実現
360°カメラ国内シェアトップの「RICOH THETA」に、現場での操作性を向上させた「RICOH THETA X」を新たに追加、5月に販売を開始する。
リコーは2013年に360°カメラ「RICOH THETA」を発売。2014年には日本市場でバーチャルツアー作成サービス「THETA 360.biz」の提供を開始した。住宅やマンションの360度画像を撮影し、ホームページ上でバーチャル内覧できるようにすることで、ユーザーが住宅展示場に来場することなく建物のイメージを具体的に把握できるサービスだ。不動産営業だけでなく、建築現場での記録撮影や進捗管理の業務効率化にも貢献する。簡単に高品質なバーチャルツアーを作成できるとして、360°カメラ市場で高いシェアを占めている。
2021年には、海外市場向けに展開していたバーチャルツアー作成サービス「RICOH360 Tours」を国内向けに提供開始した。「RICOH360 Tours」では、AIが360°パノラマ画像にCGの家具を自動配置する「AIステージングβ版」などを追加し、さらなる利便性を図った。
そして今回、新たに360°カメラ「RICOH THETA X」を国内市場向けに5月中旬に発売する。大きな特長は、シリーズで初めて2.25型の大型タッチパネルモニターを搭載した点。従来品にはタッチパネルが無かったため、細かい作業をスマートフォンで操作する必要があった。しかし現場で作業するユーザーから「カメラとスマートフォンを持つと両手がふさがってしまい、操作がしにくい」という声があった。こうした課題を解決するため、「RICOH THETA X」では本体だけで撮影前のプレビュー表示や撮影設定、撮影画像の閲覧ができるようにした。スマートフォンを介さずに操作できるため、現場での作業効率が大幅にアップした。また、バッテリー・メモリーカード交換に対応できるようにするなど、外出先でも安心して使える機能が搭載された。そのほか、従来シリーズに引き続き「RICOH THETA X」もアプリケーション(プラグイン)をインストールすることで、さまざまな機能を拡張できる。同社によると、「RICOH THETA Xは直感的な操作で使いやすく、静止画像も動画もきれいに撮れる」という。
リコーでは今後、360°カメラとソフトウェア・クラウドサービスを組み合わせたビジネス市場向けの「RICOH360」プラットフォーム事業を強化し、建築現場や不動産営業マーケットでの普及にさらに力を入れていく。
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