2026.9.2

住団連 『住宅版の車検制度』の創設に注力 新たな住宅生活産業ビジョンで方針示す

 

(一社)住宅生産団体連合会(以下、住団連)は、「住生活産業ビジョンVer.2026」を公表した。この中で、『住宅版の車検制度』となる住宅検査登録制度(仮称)の創設に向けて注力する方針を明らかにした。国土交通省などとも連携しながら、住宅履歴情報の保全・管理が確実に行われる仕組みを構築し、住宅の資産価値が適切に評価される状況を創出していきたい考えだ。

住生活産業ビジョンVer.2026」は、国が定めた新たな住生活基本計画(全国計画)の内容を踏まえながら、2050年を見据えた住生活産業の中期的な指針として策定したもの。

「良質な住宅ストックの形成」、「良質な住宅を選択できる社会の実現」、「カーボンニュートラルの推進」、「住生活産業の魅力向上と生産性改革」、「住生活リテラシーの向上」という5つの基本方針を掲げ、住生活産業の取り組みと国に期待する取り組みをとりまとめている。

国の新たな住生活基本計画では、ストック重視という流れがより強く示されたが、住団連の住生活産業ビジョンでも、「良質な住宅ストックの形成」という基本方針において、循環利用を促進する良質な住宅ストックの整備や、資産価値を適正に評価する新しい住宅査定方式などの導入、さらには住宅金融商品の利活用などを進めていく方針が示された。

また、国に対して「住宅版の車検制度」の創設を求めていくともしている。自動車の車検制度のように、住宅のメンテナンスやリフォームなどに関する履歴情報が適切に蓄積され、利活用されるような住宅検査登録制度(仮称)を実現していく。

履歴情報を利活用できる仕組みが構築されることで、メンテナンスやリフォームなどの状況に応じて住宅の資産価値が変わる状況を生み出していきたい考えだ。

スムストックや安心R住宅など、一部ではメンテナンスやリフォームの状況によって建物の評価を変えようという動きがあるが、まだまだ多くの既存住宅は一定の築年数を超えると土地の価格のみで資産価値が決まってしまう現状がある。

その結果、本当の意味での「住宅の資産化」が進まずに、「住宅を長く大切に使い、次の世代に引き継いでいく」という、長期優良住宅の理念の実現を阻害する要因のひとつになっている。また、住宅の資産価値をベースとした、消費者の経済的負担を減らす住宅金融サービスが生まれ難いという問題も指摘されている。

住団連では、「住宅版の車検制度」によって、こうした状況を変えていきたい方針で、平松幹朗専務理事も「(住宅検査登録制度については)とくに力を入れて、実現を目指していく」と語った。

また、「住宅取得資金の積み立てに対する支援制度の創設」も目指していくとしており、例えば英国のライフタイムISAなどを参考にしながら、「”金利がある時代”において、住宅取得のための資金を無理なく積み立てるための仕組みを検討したい」(平松専務理事)としている。