一次エネ消費量に上位等級7、8追加へ
国交省が方針示す
国土交通省は住宅性能表示制度を見直す考えで、省エネ対策として一次エネルギー消費量等級に等級7、8を追加する方針を示した。
これは、社会資本整備審議会建築分科会と建築基準制度部会、建築環境部会の合同会議で明らかになったもの。
住宅の省エネ性能を表す指標として、住宅性能表示制度では断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級の2つを設定している。
断熱等級については、2022年にZEH水準相当を超える等級6、7が既に創設されている。一方、一次エネルギー消費量等級については、これまでZEH水準相当の等級6が最高等級となっていた。また、近年では省エネ性能の高い住宅の供給が急速に進んでおり、同等級6を取得している住宅が増加。令和4年度は新築戸建ての48.6%だったものが、令和5年度は85.7%にまで伸びている。
こうした状況下で、脱炭素の実現に向けてZEH水準を上回る省エネ性能を有する住宅のさらなる普及や、その水準を評価できる環境の整備が必要であることから、今回、一次エネルギー消費量等級に上位となる等級7および8を追加する方針を明らかにした。

(国交省の資料より抜粋)
等級7の評価基準は、再エネを除いて等級4(省エネ基準)比で一次エネルギー消費量を30%削減できること、等級8は同35%削減できることとしている。つまり、等級8はGX志向型住宅の要件の一つである「再エネを除く一次エネルギー消費量の削減率35%以上」に該当する区分となるわけだ。
また、これらの性能を表示する場合には、等級6と同様に床面積当たりの一次エネルギー消費量(MJ/(㎡・年))と、太陽光発電設備などによる一次エネルギー消費量の削減率を併記できるとしている。
省エネ性能表記の再区分案も浮上
会議では、今後の住宅省エネ政策全体の方向性についても議論が交わされた。その一つとして、2030年に予定している義務基準のZEH水準への引き上げ時には、性能の表記を改める意見が挙がった。
具体的には、断熱等性能等級を「断熱等性能等級+」、一次エネルギー消費量等級を「一次エネルギー消費量等級+」に名称変更。その上で、断熱については実質的に最低限のレベルとなる等級5を「等級1」、等級6を「等級2」、等級7を「等級3」と再定義する。また、一次エネ消費量についても同様で、現在の等級6を「等級1」とし、今回の会議で新設する方針を示した等級7を「等級2」、等級8を「等級3」とすることについて、今後検討を進める。

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