2025.3.21

昼間の電力需要を自動制御で1日120円の節電効果

環境省が実証結果公表

 

昼間の電力需要をIoT機器などで自動管理することで、手動管理するよりも高い節電効果が得られることが、環境省と民間企業の実証で明らかになった。

脱炭素の実現に向け、再エネの利用は重要な取り組みの一つと言える。しかし、再エネ発電量は徐々に増えているものの、日中は電力需要が少ないため、年間で約19億kWh(45万世帯分の年間電力使用量に相当)が捨てられている。

そこで国は、日中の電力需要を増やし、需要のピークを昼間の時間帯に近づける「上げDR(ディマンドリスポンス)」を促進することで、再エネを最大限活用できるようにしていきたい考えだ。

今回の実証では、上げDRの取り組みとして「機器制御型DR」と「行動変容型DR」による昼間の電力需要の創出効果を検証した。

機器制御型DRとは、蓄電池、エコキュート、洗濯乾燥機、浴室乾燥機、食器洗い乾燥機、EVなどで利用する電力をIoT機器で自動制御する手法。一方、行動変容型DRとは、各機器で利用する電力を消費者が手動で制御する手法だ。

実証の結果、より大きな需要創出効果が得られたのは機器制御型DRの方だった。また、機器制御型DRにおいては、1世帯あたり1日120円程度の節電効果が得られることも明らかになった。

環境省は今後、今回の実証結果を踏まえて昼の電力利用による便益を明確にし、より多くの家庭や事業者による余剰電力の有効活用を促進していく方針だ。