建材トップランナーに中高層共同住宅用サッシなど追加
新築のZEH・ZEB化を後押し
経済産業省は、建材トップランナー制度の適用対象に、非木造の中高層住宅・中大規模建築用のサッシおよびガラスを追加すると発表した。
建材トップランナー制度とは、断熱材や窓サッシ、窓ガラスのメーカーに対し、目標年度までに一定の断熱性能(義務基準)のクリアを求めるもの。
現状、窓サッシ・ガラスについては木造の戸建住宅や低層共同住宅、小規模建築物に使用される製品のみが適用対象となっている。
一方、国は脱炭素の実現に向けて窓サッシ・ガラスにおける建材トップランナー制度の適用対象を拡充する検討をこれまで進めてきた。第7次エネルギー基本計画においても、「省エネ性能の向上を建材や設備の観点から支えるべく、トップランナー制度の拡充などに取り組む」姿勢を示していた。
こうしたなか、今回、経済産業省の建築材料等判断基準ワーキンググループが審議のとりまとめ案を公表。窓サッシ・ガラスについて、非木造の中高層住宅や中大規模建築(その他建築物等)向けに使用されているものを建材トップランナー制度の対象に追加することを示した。これにより、窓サッシ・ガラスには既に対象だった「戸建・低層共同住宅用」と併せて全ての住宅・建築物ように製品にトップランナー基準が設けられることになる。
サッシについて詳しくみると、対象範囲は、アルミ単層ガラス用、アルミ複合サッシ用、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシの4種類。目標基準値は現時点で中高層住宅用のみ設定しており、30年度に熱貫流率2.97(W/㎡k)を目指すものとした。
なお、サッシは単体で熱貫流率を把握することができないため、各種サッシにはそれぞれ同一仕様のみなしガラスをはめ込んだ場合を仮定して目標値を試算している。

一方、ガラスについては、対象範囲を総厚み10㎜超の複層ガラスのうち、内外両側のガラス厚みが4㎜超のものに設定。ただ、目標基準値の設定には、サッシの建物別用途出荷データを参照する必要があるため、このデータが収集できたタイミングで基準の在り方を県とする方針だ。
今回の建材トップランナー基準の拡充を通して、国は30年度以降における新築建築物についてZEH・ZEB水準を上回る省エネ性能を確保できるように後押ししていく。
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