次世代太陽電池、2040年目途に20GW導入へ
発電コスト削減で自立した産業に
2024年11月26日、経済産業省が「次世代太陽電池戦略(案)」を公表し、ペロブスカイトをはじめとする次世代太陽電池の普及目標として、2040年を目途に20ギガワットを導入することを明らかにした。
国は、第6次エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーの電源構成比を30年までに36~38%とすることを掲げている。このうち、太陽光発電は14~16%程度を賄うものとしており、導入拡大が急がれている。
ただ、現在主流であるシリコン太陽電池はその重さなどから設置場所が限られており、特に住宅では狭小屋根への設置の難しさが課題となっている。都市部でもビルやマンションの屋上への設置が進んでいるが、設置面積が不足しているのが現状だ。
こうしたなか、次世代太陽電池としてとりわけ注目されているのがペロブスカイト太陽電池だ。最大の特徴はその軽さと柔軟性であり、折り曲げることで建物壁面など従来のシリコン電池では設置が難しかった場所への設置を可能にしている。
近年では世界的に開発競争が加速しているが、主な原料となるヨウ素の産出量は日本が世界2位(シェア約30%)であることから、生産面に優位性を持つ国産事業として展開できることが強みだ。
しかし、普及にあたっては課題もある。その最たるものが発電コストであり、現状ではシリコン太陽電池よりも高価格になることが想定されている。
そこで、国は脱炭素の実現に向けて21年に造成したGI(グリーンイノベーション)基金を活用し、次世代太陽電池の研究開発や生産・量産体制の確立を支援することで、発電コストの削減を図る。25年に1キロワット時20円、30年に同14円、40年に同10~14円以下とシリコンパネルと同等の水準に近づけるとした。これにより、40年には支援を必要としない自立した産業となることを目指す。
併せて、多様な場所への設置支援を図り需要の創出に取り組むことで、40年を目途に20ギガワットの導入を目指す。発電コストを先述の数字よりも大幅に削減できた場合は、導入目標を2倍の40ギガワットに拡大する。
今回策定した導入目標は、24年度中に閣議決定するとしている第7次エネルギー基本計画にも盛り込む方針だ。
そのほか、今回の戦略案では次世代太陽電池の本格的な導入に向けて、国際標準化の検討、設置施工に関する実証の実施、廃棄・リサイクル技術の開発・システム検討などが必要な旨も示された。

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