海上コンテナ不足の影響長期化も 国交省会議で情報共有

スエズ座礁で欧州再び逼迫か 集成材の輸入なお不透明に

コンテナ不足による海上コンテナ船の運賃が高騰し、高止まりしていることなどを受け、国土交通省は23日、農林水産省、経済産業省と共同で、船主や荷主など関係者を集め会議を開き、関係者間で情報共有した。集成材の輸入が多い欧州の状況については、3月に起きたスエズ運河での船舶座礁による封鎖の影響で「今後注視が必要」との声も上がっており、状況はなお不透明だ。


現状の海上コンテナ船の運賃高騰をめぐっては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が端緒になっている。会議に参加した野村総合研究所によると、米国では巣ごもり需要から家具や玩具、家電などの輸入が急増。ロサンゼルス港の貨物量が8月以降急増する一方で、作業員不足からコンテナ船着岸後の荷役作業に遅れが出て、船が港に付けられない「沖待ち」が多数発生しているという。同時に、コンテナ製造で世界の9割以上を占める中国が新型コロナによる消費低迷を見越し、新たに生産するコンテナの数量を減らしたことで、空のコンテナが不足していることも運賃高騰に追い打ちをかけている。「破損、老朽化したコンテナを再配備」(外国船舶協会)しながら苦肉の策で、コンテナ不足に対応している。

日本船主協会によると、平均滞船日数は北米西海岸では1週間以上だが、アジア主要港では沈静化してきているという。集成材の輸入が多い欧州も沈静化の傾向にあったが「スエズ封鎖の影響がでるのではないか」と懸念する。国際フレイトフォワーダーズ協会もスエズ封鎖を心配しており、「今は影響がないが、今後は注視が必要」との見方を示した。

船の遅延が輸送量に影響を与えることをオンライン会議で説明する日本船主協会の関係者

ただ、足元ではコンテナ不足によって欧州からの集成材が日本に入ってこないという状況が表面化している。市場関係者からは「通常2カ月程度で日本に到着していたヨーロッパの集成材だが、2月到着予定のものが未だに届かないと」という声もある。林野庁によると、2020年の集成材輸入量は102万㎥。このうちEUで82%を占めており、長期化すれば住宅建築への影響も避けられない。

国交省は日本発着の国際海上コンテナ輸送の需給の逼迫状況の改善に向け、今年2月に荷主や船社、物流事業者などの関係団体に、コンテナの効率的な利用や輸送スペースの確保などに係る協力要請文書を発出。国際フレイトフォワーダーズ協会ではキャンセル発生の防止を訴えている。荷物を混載する海上コンテナ船は複数を寄港するため、「予約した船をキャンセルしてしまうと、日本はいらないと思われ、スペースがなくなってしまう」と心配する。 現状では北米での沖待ちが、国際海上コンテナの遅れの大きな要因の1つになっている。国交省は、北米西岸港やアジアの主要港の実態を把握するため調査に乗り出した。「4月から5月の大型連休明けにかけて調査する」。ただ、業界団体からは、北米の混乱について「21年第4四半期まで影響が続く」(外国船舶協会)との見方もある。野村総研も「待機船は減っているが、改善には至っておらず、道筋は見えていない」としており、コンテナ不足と運賃高騰の出口は見えていないのが実情だ。

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