YKK AP 災害リスクの極小化へ 耐災害商品のラインナップを充実
漏水の心配なく2階窓に後付けできる耐風シャッターなど発売
YKK APは、災害リスクを狭小化するために、耐災害商品のラインナップを充実させている。漏水の心配なく2階窓に後付けできる耐風シャッターや耐風圧強度を高めたカーポートなどを新たに発売し、住まいの防災性能の向上に貢献していきたい考えだ。
YKK APが新たに発売した耐風シャッターGR「バルコニーFRP防水向け工法(マドリモ)」は、2階の窓への耐風シャッターの設置を提案する商品。
同社では、2020年4月には開発本部に耐災害技術室を設置し、実際の自然災害により発生した被害状況などを調査しながら、新商品の開発を進めている。
2020年6月には、風速62m/s時に風下側で発生する風に引っ張られる風圧力に耐えられることが可能な「耐風圧性能1200Pa」を確保した耐風シャッターGRを発売している。
今回、2階の窓へ後付けできる耐風シャッターGRをバリエーションに追加した。
同社の調べによると、シャッターや雨戸の装着率は1階が57.7%であるのに対して、2階は28.1%という状況だという。台風の上陸数が多いエリアに限っても、1階が73.4%、2階が32.2%となっており、2階の窓への装着率が圧倒的に低いことが分かる。
ところが、強風時の飛来物の衝突による被害リスクは、1階も2階も変わらない。見晴らしがよい場所ほど飛来物が衝突するリスクが高いことを考えると、むしろ2階の方がリスクは高いとも考えられる。台風などが巨大化するなかで、今後は2階窓の対策がひとつの焦点になりそうだ。
しかし、2階窓へ耐風シャッターを後付けする場合、漏水事故につながる懸念がある。シャッターを取り付ける際に、ベランダ部分などのFRP防水にビスなどを施工する必要があるからだ。
そこで、新商品ではバルコニーFRP防水へのビスレス施工を実現している。これによって、より手軽に2階窓へシャッターを取り付けることができる。
同社では、災害リスクを回避するためにも、今後m2階窓への耐風シャッター設置を広く訴求していく方針だ。
一方、強風時にカーポートの屋根などが飛来し、建物に被害をもたらすことを防ぐために、大型台風に備える高性能カーポート「レオンポート neo GR」も発売した。同社のカーポート商品としては最も高い性能である耐風圧強度62m/秒相当を実現しており、耐積雪性能100㎝も確保している。 YKK APの堀秀充社長は、「台風などへの備えだけでなく、耐震性能などの向上に貢献する商品を開発することで、省エネに加えて耐災害という観点での提案にも注力していきたい」と述べ、耐災害技術室を中心として住まいの防災性能を高める商品の開発を今後も進めていきたい考えだ。
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