お知らせ ◆無料会員の新規登録に不具合が発生する場合がございます。ご登録いただいた後に確認のメールが届いていない場合、お手数をおかけし恐縮ですが再度ご登録の手続きをお願いしております。  ◆ハウジング・トリビューン最新刊Vol.629(2021年20号)好評発売中です   ◆有料会員サービス「Housing Tribune Online Premium」がスタートしました (2021.4)  ◆ハウジング・トリビューンが注目する注目の業務改善ツール 一覧はこちら (2020.10) ◆住宅産業総合誌「ハウジング・トリビューン」は隔週金曜発売。ご購入・年間定期購読はこちら建材・設備情報サイト「スマテリアル」は福井コンピュータアーキテクトの「3Dカタログ.com」と連携しています(2019.12)

2017.3.22

現場発泡断熱材が躍進 性能・施行品質の向上で競争力増す Part 4

施工品質の向上に向け 原液メーカーの取り組みも加速

業界団体で施工品質の確保に向けた環境整備が進み、第三者による施工品質の認定制度も開始された。今後、導入される見込みの準建材トップランナー制度でも施工時の品質確保が求められる。

言い換えれば、第三者の認定などを取得し、準建材トップランナー制度に対応することで、適切な施工品質を確保していることが認められ、製品本来の断熱性能をアピールできるようになるわけだ。

そうしたなか、原液メーカーの間では、第三者認定の取得や準建材トップランナー制度への対応を見据え、施工品質の向上に向けた取り組みが加速している。

「アクアフォーム」を展開する日本アクアは、ウレタン原液の原料も自社で開発し、性能向上を図っている。加えて、「クオリティの高い施工品質が確保されなければ製品本来の性能を発揮できない」(大森課長)として、施工品質の向上にも力を入れている。

同社は全国に200社以上ある認定施工店に加え、自社の施工部門も持つ。原料の開発から施工、管理まで自社で一貫して行える体制を構築。認定施工店の技術力向上のサポートにも力を入れており、大阪にトレーニングセンターを開設し、研修・指導を行っている。木造・RCの躯体模型を使って様々な条件下に対応できるよう訓練している。そして、一定の基準をクリアした事業者のみを認定施工店として組織化している。

また、同社では工事を受注した場合、同社の担当者が施工前に現場をチェックし、現場調査シートを作成し、認定施工店などに提供する体制をとっている。

「吹付けが難しそうな部分や、施工の工程などを事前に確認し、スムーズで不具合のない施工を行っている」(同)という。
施工後の品質チェックも行う。品質管理チームを全国に配置し、顧客と約束した工事がしっかりとなされていること、施工品質が自社基準をクリアしていることを物件を抽出してチェックする。

既存住宅の省エネ化が求められるなか、断熱リフォームにも注力しているが、通常のウレタン施工車は2㌧以上のトラックで、道幅や駐車場などに制約があった。そこで、専用のシステムを開発し、特許を取得。狭い路地の住宅やマンションなど駐車スペースが狭くても機材を積み降ろして施工することを可能にした。リフォームでも施工力の向上に力を入れている。

資格制度を設け、施工者を育成

一方、独自に施工技能者育成制度を設けたのがBASF INOACポリウレタン。同社も施工業者で構成される「フォームライト会」を組織化しており、会員会社は全国に約40社ある。2015年に北海道と東北、愛知、九州の4カ所に施工研修が行える設備を整えた研修所を開設。会員の施工業者などが、座学、実技の研修を通して現場管理や施工技術、機械のメンテナンスなどを学べるようにした。

さらに、独自の「フォームライトマイスター」「マシュマロマイスター」の2種類の資格制度を導入。「フォームライトマイスター」が一般建築向けで、「マシュマロマイスター」が戸建住宅向けの施工技能資格だ。
「早期にマイスター取得者を育成したい」(安形課長)として会員の施工業者などに取得を推進している。

HFOを採用した新商品「フォームライトSL‐50α」は発泡倍率を抑え密度が高いため、従来品と同じ厚みにするためには、吹付けを2回行う必要があるなど、施工技術を要する。製品本来の断熱性能を発揮させるためにも、施工品質の向上を図っていく方針だ。
建産協の「EI制度」への対応も図っていく。

木造住宅向けに「アキレス KHフォーム」を展開するアキレスも、施工業者で構成される「アキレスノンフロン会」を組織化している。会員を対象に各地で技術講習会を実施。ウレタンフォーム工業会の「品質自主管理基準」に基づき、施工技術に加え、安全・衛生知識などの向上をサポート。会員向けの技術サービスとして、施工の仕方などの個別指導も行っている。とくに発泡機の設定では圧力や温度などを調整するなどノウハウも必要になる。

「設定が狂わないよう、日々のメンテナンスも重要になる」(内田課長)という。会員の施工業者に対し、手厚いサポートを行い、施工品質の向上を図っている。
「勉強会や研修会も実施し、行政施策の動向などの情報提供も行っている」(同)という。

建産協の「EI制度」への対応を検討しており、施工業者の指導など準備を進めている。高品質な施工技術に裏打ちされた製品の優れた断熱性能をアピールしていきたい考えだ。 昨年4月にHFOを発泡剤に採用した高性能商品「スタイロスプレーフォーム R」を発売し、現場発泡断熱材に参入したダウ化工も、認定施工店体制を構築している。同社が実施する講習会を受講し、一定の技術を身に付けた施工業者を認定し、組織化している。
「認定施工店を100社程度まで増やしたい」(大槻専務執行役員)と、講習会の実施に力を入れている。

現場発泡断熱材はこれまで原液についてはJIS規格で規定されていたが、施工後の断熱性能まで担保するものではなかった。そのため、住宅業界では、施工後にJIS A9526で規定されている通りの断熱性能が確保できているのか疑問視する指摘もなされてきた。EI制度など第三者認証により、施工品質が確保されていることが示されればこうした問題は払拭される。むしろ、性能を担保する専門の施工業者による品質の高い施工が現場発泡断熱材にとって強みになるはずだ。現場発泡断熱材の競争力が増しそうだ。

Housing Tribune最新刊

住宅産業総合誌「ハウジング・トリビューン」は隔週金曜日発売。年間購読者には電子版News Report「Housing Tribune Weekly」を配信しています。

ハウジング・トリビューンVol.631(2021年22号)

特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

目次を見る

関連記事