2020.6.29

国交省 住宅の省エネ性能を“燃費”で表示

計算方法などを統一し光熱費換算値を消費者に情報提供

国土交通省は、「住宅の省エネ性能の光熱費表示検討委員会」(座長:田辺新一 早稲田大学教授)の第一回目の会合を開催した。令和3年度末から新築マンションを皮切りに順次導入していきたい考えだ。


住宅の省エネ性能については、実際の断熱性能などの性能値や性能表示制度、さらにはBELSなどを活用して消費者に情報提供を行うことができるが、自動車の燃費表示のように、分かりやすく光熱費に換算した値で性能を表示するべきではないかという指摘もあった。

そこで、国土交通省では「住宅の省エネ性能の光熱費表示検討委員会」を設置し、住宅の省エネ性能を光熱費で表示する仕組みの検討に着手した。

6月29日に開催された第1回目の検討会では、今後の検討に向けた論点整理などが行われた。国土交通省から提出された資料では、まず光熱費換算値の計算方法として、どのような方法に統一するのかが妥当かを論点として挙げている。

誰でも計算可能で、省エネ性能が公平・公正に比較可能であることなどを前提として、設計一次エネルギー消費量に基づきながら、統一の燃料単価で光熱費換算値を算出することを基本方針とすることなどが説明された。

加えて、計算結果の表示方法については、光熱費換算値のみを表示するのがよいのか、それとも★マークなどを活用した方がよいのかといった点が焦点になりそうだ。

さらには、太陽光発電の売電分をどのように取り扱うのか、燃料単価の設定方法なども今後の論点になる。

計算した光熱費換算値については、住宅に関するポータルサイトなどに表示することが想定されているが、その表示方法についても検討していく。

住宅情報サイトでの表示方法のイメージ(国土交通省資料より)

まずは新築分野での導入を目指していく方針で、早ければ年内には検討会のとりまとめを行い、令和3年度末に新築マンション、令和4年度初旬に新築戸建て、同年度10月頃には賃貸住宅への導入を進めていきたい方針だ。

なお、既存住宅については令和2年度以降、継続課題として検討していく予定。