緊急事態宣言を全国に拡大 厳しさます住宅業界
求められる “次へ”とつながる新たな試みとは?
政府は、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大する。これによって、住宅業界にも新たな対応が迫られることになりそうだ。
政府は、東京など7都道府県を対象とした緊急事態宣言を全国へと拡大する。これにより全国の知事が法的根拠に基づいて外出自粛などを要請することが可能になる。期間は5月6日まで。
また、より強く要請ができる特定警戒都道府県に、新たに北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府を加えた。
住宅業界にも新たな対応が迫れることになりそうだ。既に特定警戒都道府県に指定されている7都道府県では、多くの住宅事業者が住宅展示場の運営や新規の受注活動をストップしており、実質的に営業活動が行えない状況になっている。
大和ハウス工業では、緊急事態宣言が全国に拡大されたことを受けて、いち早く全国76事業所を一時的に閉鎖することを決定した。加えて、全国の施工現場についても、可能な物件は5月10日まで休工とする。今後、同社に続く住宅メーカーも出てきそうだ。
各ハウスメーカーの3月の受注速報をみていくと、戸建住宅を中心として受注が大きく落ち込んでおり、前年同月比で2割以上減少している企業も少なくない。
また、住宅展示場協議会と(一財)住宅生産振興財団が発表した3月の展示場来場者組数は23万2438組となり、対前年同月比28.38%減という厳しい状況を示している。
こうしたなか、積水ハウスが「おうちで住まいづくり」として、展示場などに来場することなく自宅でマイホームの検討を行えるキットを無料でプレゼントする取り組みをはじめるなど、対面に頼らない営業手法を試みようという動きも出てきている。
これまでにない苦境に立たされている住宅市場だが、テレワーク実践者の増加などによって、自宅での時間の大切さを再認識する声も高まってきている。制約があるなかでどういった新しい提案ができるか―。新型コロナウイルスとの戦いが長期化することも予想されるなか、単に立ち止まるだけでなく、制約があるなかで知恵や工夫で次へとつながるチャレンジを具体化していくことが重要になりそうだ。
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