LIXILの「TW コンセプト」が、住宅の窓を再定義

 

LIXILの「TW コンセプト」が、住宅の窓を再定義する。
性能を満たすだけの窓ではなく、空間の主役となり、設計や暮らしのこだわりを映し出す窓とは何か。
その問いに向き合った新たな提案を行う。

窓が縮小化する時代に
暮らしをデザインする窓で一石を投じる

近年、窓を取り巻く環境は変化してきている。とりわけ顕著なのが、住宅の断熱性能向上に伴う窓数の減少・窓サイズの縮小だ。25年4月から省エネ基準の適合が義務化、9月には新たなZEHである「GX ZEH」の定義が確定し、12月には一次エネルギー消費量等級に等級7、8が創設された。こうしたなかで、住宅の断熱性を向上するために熱の出入り口となる開口部=窓の数を減らしたり、サイズを小さくする設計が増えつつある。

一方で、LIXILが施主に対して行ったアンケートでは、「在宅ワークの定着により、家で過ごす時間が長くなったこともあり、『楽しく快適に過ごしたい』というニーズや、窓が縮小化するなかでも『こだわる部分はとことんこだわって大きな窓で開放的な空間をつくりたい』といったニーズが垣間見える」(LHTサッシ・ドア事業部 サッシSBU サッシ商品企画室 田中美葵 氏)という。

さらに、ビルダーからの意見では、「窓がコモディティ化しており、空間づくりにおいて個性を表現しにくい」との声も散見された。また、「ヒアリングするなかで、窓を少なくしたい、小さくしたいと積極的に考えているビルダーは案外少ないのではないかと感じた」(田中氏)という。

こうした課題意識を背景に誕生したのが、「TWコンセプト」だ。断熱性能など窓に求められる基本性能は当然の前提としながら、+αとして「窓から暮らしのシーンを想起すること」を基軸とする。高性能窓「TW」の性能を継承しつつ、「施主のこだわりを叶え、暮らし方をデザインする」ことをキーワードに、新たな家づくりの提案ができる窓品種として位置付けている。「TWでは住宅一棟まるごと揃えられるような品種を用意しているが、TWコンセプトはメイン空間やこだわりの空間にポイントで使ってもらうことを想定している」(田中氏)。

ウチとソトを美しくつなぐ
土間スライディング

リビング空間に適した土間用窓として、細部までデザイン性と使い勝手を追求した「土間スライディング」
小径の2連ベアリング戸車を採用し、スリムなフレームのまま、開閉力を大幅に軽減。軽快な操作性を実現した
※画像は説明用に合成

25年6月にTWコンセプト第一弾として「土間スライディング」を発売した。コロナ禍以降、おうち時間の増加を背景に、アウトドアリビングや趣味空間など、室内で多様な過ごし方を楽しむ傾向が強まっている。これに伴い、リビングに土間を取り入れるプランが増加している。しかし、従来の土間用窓は店舗併用住宅向けが中心で、住宅のリビングに採用するにはデザイン性や断熱性に課題があった。

実際、土間リビングの窓として「意匠性の低い窓を使いたくない」という理由から、土間用ではない室内用の引違い窓が採用されるケースも見られたという。LIXILの「土間スライディング」は、こうした実情を踏まえ、リビング空間に適した土間用窓として、細部までデザイン性と使い勝手を追求した。

4枚建ての障子は合掌部の幅を従来の約50%にスリム化し、縦フレームの幅を統一。H2700㎜のハイサイズを規格化し、開放感のある空間演出を可能にした。そのほかリビングで使いやすいクレセント仕様の導入や、召合せ錠についても手に馴染みやすくデザイン性も高いものを開発した。

土間用窓は下部分に砂ぼこりなどがたまりやすいが、レール端部に脱着可能なキャップを採用することで、清掃性の向上も配慮。大型バイクの出し入れにも耐えられるステンレスレールの採用や、障子が重くなっても軽快な開閉を実現するベアリング戸車の採用など、土間用窓ならではの使いやすさにもこだわった。

風景を暮らしに取り込む新提案
パノラマドア

「パノラマドア」はテラスドアとFIX 窓を一体化。スリムフレームによる優れた眺望性が大きな特長。

25年10月には、第二弾として、テラスドアとFIX窓を一体化した「パノラマドア」を発売。住宅のリビング窓には引違い窓が採用されることが多いが、眺望性や気密性を高めつつ出入りもできる、新たな選択肢として打ち出した。

テラスドアとFIX窓を連窓で使う場合より方立を約23%スリム化した

既存ラインアップのテラスドアとFIX窓を連窓で施工する場合に比べ、建具が連続する部分の間に設置される縦枠、方立の寸法を約23%スリム化。FIX窓については、室内からはフレームがほとんど見えない「外押縁構造」を採用しており、景色を存分に楽しむことができる。

ハンドルやサムターンなどのパーツについても居住空間との調和を意識したデザインを採用している。例えばサムターンは、正面から台座が見えないよう形状を工夫し、ハンドルの素材には樹脂ではなくアルミダイキャストを採用。マットな質感により、空間に上質な印象を与える。

テラスドアとFIX窓の組み合わせは、設置場所や求める開口サイズに応じて3つの設定を用意。書斎や中庭に面する窓など、景色を積極的に取り込みたい多様な空間での活用を提案している。