建設技能者の待遇改善へキャリアアップシステム限定運用開始
「建設キャリアアップシステム」の限定運用が開始された。システムの活用により、技能者が能力や経験に応じた評価や処遇を受けられる環境を整備することで、将来にわたって建設業の担い手確保につながるものとして期待が高まっている。
国土交通省と建設関連事業者が官民一体で構築を目指す建設キャリアアップシステムとは、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴などを業界横断的に登録・蓄積する仕組み。建設技能者は、システム上に、本人情報、所属事業者、職種、社会保険加入状況、保有する資格などの情報を登録する。また、固有のIDが付されたICカード(キャリアアップカード)を取得し、そのカードを現場に設置されたカードリーダーで読み取ることで、誰が、いつ、どこの現場で、どのような立場で作業に従事したかといった記録が業界統一のルールに基づいて蓄積される。2019年度から本格運用を開始する。義務ではなく任意の制度だが、運用初年度で100万人の技能者を登録、5年ですべての技能者(330万人)の登録を目指す。
2019年4月からの本格運用に向け
トラブルなどフィードバック
2019年4月からの本格運用開始を前に、2019年1月〜3月までシステムを利用できる現場を限った「限定運用」を開始する。建築・土木の新築工事や改修工事、住宅の新築工事やリフォーム工事などの工種、工事規模の大小、立地地域などのバリエーションを踏まえ24の現場を選定。限定運用を実施することで、発生したトラブルを検証し、結果をシステム運用にフィードバックし、安心・円滑な導入につなげていきたい考えだ。
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