少子・高齢化、空き家・空き地問題、さらには都市のスポンジ化の進展などを背景として、様々な自治体がコンパクトシティ化に向けた取り組みを進めようとしている。今までのようにスプロール化していく街づくりを放置しておくと、全ての住民に充分な行政サービスを提供することはできない。スラム化による治安の悪化の恐れもある。そのため、都市機能をコンパクト化していくことで、成熟社会に相応しい街づくりを進めていこうというわけだ。

首都大学東京の饗庭伸教授は、こうした状況を「都市をたたむ時代」と表現している。都市をどんどん拡大していった時代から一転し、拡大してしまった都市をどうたたんでいくかが重要になってきている。

ミサワホームが千葉県浦安市東野地区で進めてきた複合商業施設「ASMACI浦安」が竣工した。この施設は、同社と浦安市、医療法人社団やしの木会浦安中央病院、京葉銀行の4者協定により実現したもの。

ミサワホームが保有する「ASMACI浦安」の隣には、浦安中央病院が新たに整備されたが、この2つの建物は4者協定に基づき一体的に開発された。「ASMACI浦安」には、賃貸住宅のほか、保育園、病児・病後児保育室、小児科、調剤薬局の機能を備えたドラッグストア、コンビニエンスストア、さらには浦安市の地域包括支援センターの支所などがテナントとして入居。隣接する浦安中央病院とも連携しながら、高齢者や子育て世帯が安心して暮らせるサービスや機能を提供する。さらに、ミサワホームでは、隣接する土地にアクティブシニア向けの分譲マンションを建設していく計画だ。

ミサワホームでは、これまで住宅事業で培ってきたノウハウを最大限に活かしながら、「ASMACI」ブランドでコンパクトシティ型不動産開発などのまちづくり事業に取り組むという。

今後、「都市をたたむための開発」が各地で行われる可能性は高い。当然ながら既存のストックを有効活用していくことが大前提となるだろうが、住民の移動を促すためには魅力あるインフラを整備することも求められるだろう。都市機能を集約していくために、“集客装置”となり得る魅力ある住環境を整備していく。その際に住宅産業界のノウハウが求められる場面が訪れそうだ。

ミサワホームの磯貝匡志社長、内田悦嗣・浦安市長、浦安中央病院の高須信美院長をはじめ、関係者が参加し開催された「ASMACI浦安」の完成見学会。今後、コンパクトシティ化を目指す他の自治体などからの注目度も高まりそうだ