日産自動車、集合住宅へのEV普及で積水ハウスとタッグ
シャーメゾンZEHで無償の試住イベントを実施
EV販売台数日本一を誇る日産自動車は、集合住宅へのEV普及に向けて積水ハウスとタッグを組んだ。住環境を理由に購入をあきらめていた層への訴求力を高め、カーボンニュートラルの実現に貢献していく考えだ。
2022年12月に日産自動車が行った「EVの購入時に重要な住環境についての調査」によると、直近3年間でEVの購入を検討した人の割合は76.8%と増加傾向にある。その理由としては、「環境にやさしいから」(63.0%)、「ガソリンが高騰しているから」(51.3%)など社会的な要因が多かった。
一方で、「EVを購入する上で迷うポイント」として最も多かったのは「自宅で充電できない」(57.8%)だった。特に、その傾向は集合住宅の居住者で多く、集合住宅に充電設備がないことでEVの購入が難しいと考えている人は88.6%にも上った。実際に、住環境が理由でEV購入をあきらめた経験があるという回答も51.0%と、実に半数以上に及んでいる。これらの結果から、価格面よりも住宅での充電環境がEV普及にダイレクトに影響していることが分かり、とりわけ集合住宅との連携を図ることが明確な課題として浮き彫りとなった。そもそも、集合住宅でEV充電設備の設置が進んでいない背景には、その認知度の低さがある。集合住宅の居住者やオーナーは、集合住宅でもEV充電設備を導入できることを知らないケースが多いといい、集合住宅だからEV充電設備の導入は難しいという固定観念が生まれている。
こうしたなかで今回、同社は集合住宅へのEV普及に向けて積水ハウスとタッグを組み、「+e PROJECT(プラスイープロジェクト)」を発足した。協力先として様々なハウスメーカーに声がけをする中で、積水ハウスと目指すべき目標が合致したという。積水ハウスは、「シャーメゾンZEH」などの集合住宅ブランドを展開し、ゼロエミッション社会やエシカルな暮らしを訴求しており、さらにこの機運を高めたい意図もある。
プロジェクトの第1弾として、神奈川県横浜市にある積水ハウスの「シャーメゾンZEH」において、集合住宅でEVのある暮らしを無償体験できる試住イベント「+e試住」を実施予定だ。日産自動車が同社のEV「日産リーフ」を提供し、①食体験、②防災シミュレーション、③ペットとの暮らし、の3つの観点から試住体験を提供する。2月13日まで抽選応募を受け付けている。また、集合住宅の居住者向けにEV充電設備の導入方法を分かりやすくステップでまとめた特設サイトも公開。簡単な設問に答えることで、EV購入にあたってまず何をすべきか教示する「First Step診断」も用意した。同プロジェクトを通じて、両社はカーボンニュートラルや新しいライフスタイルの確立を促進したい考えだ。
日産自動車 日本マーケティング本部ブランド&メディア戦略部の網岡太郎氏は「集合住宅であるということが、EVの購入を検討する以前の段階で障壁になっていた。集合住宅でもEV充電設備を導入できることを広く伝えていく必要がある」と話す。
今後は、日産自動車の提供するカーシェアリングサービス「e-シェアモビ」を活用してシャーメゾンZEHの居住者にEVの貸し出しができるサービスなどを構想している。
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