住宅営業は「来場前」が勝負 オンラインセールスが「選ばれる」を左右する時代へ
AIが変える住宅営業
社会環境や住宅市場、顧客の情報収集行動が変化するなか、これまでの住宅営業のあり方も転換点を迎えている。工務店・ビルダーに求められているのは、集客手法をデジタルへ置き換えることでは足りない。初期接点から顧客との対話を始め、その意思決定を支援し、リアルな商談へつなげる営業プロセスをつくることだ。コンベックス(アンドパッドグループ)が提供する「Digima AI エージェント」は、AIと人による「ペアセールス」という、新たな住宅営業の形を実現するものだ。住宅会社が「選ばれる」ために打ち破るべき課題はどこにあるのか。来場前のオンライン営業は、従来の住宅営業をどのように変えるのか。全3回連載で解説する。
住宅営業の起点が、展示場からオンラインへ
かつて住宅展示場は、住宅需要者にとって主要な情報収集の場だった。展示場に足を運んで複数のモデルハウスを見学し、説明を受けながら住宅会社を絞るのが当たり前だった。住宅事業者はいかにモデルハウスに人を集めるかが営業の第一歩だった。しかし現在では、住宅需要者は展示場を訪れる前に、WebサイトやSNS、動画、口コミなどで情報を集め、念入りに下調べを行った上で資料請求を行い、複数の住宅会社を比較する。資料請求の時点で、住宅需要者と住宅事業者との接点はすでに生まれている。つまり、住宅営業のファーストコンタクトが一段階早くなり、その主戦場が来場前のオンラインへ広がったということだ。さらに、顧客の状況も日々変化する。他社のモデルハウスを見学したり、新しい情報に触れたりするなかで、当初は曖昧だった家づくりの要望や優先順位が変化していく。常にオンライン上で双方向のコミュニケーションを取り、顧客の変化に寄り添ったフォローを続けなければ、いつの間にか候補から外れて失注してしまう可能性がある。こうした変化への対応が必須の時代を迎えている。
待つだけの「不戦敗」を防ぎ、ポールポジションを取る
資料請求があった顧客に向けて資料を送付し、同じ内容のメールで来場を促す従来の手法では、大手企業や地域の有力ビルダーに混じって候補の中に入ることは難しい。商品の魅力や自社の強みを直接伝えるスタートラインにも立てないまま「不戦敗」になってしまう。ここで重要となるのが、顧客との双方向のコミュニケーションである。カタログやWebサイトで一方向に情報を届けるだけでなく、一人ひとりの顧客と対話し、価値観や検討状況を理解する必要がある。コンベックスでは、この来場までの営業活動を「コンセプチュアルセールス」と呼ぶ。資料請求の段階では、顧客自身も「どのような家を建てたいのか」が具体化しておらず、潜在的なイメージを言語化できていないケースが多い。対話を重ねる中で、しっかりと自社の家づくりのコンセプトを打ち出し、顧客の理想や価値観に寄り添って共感を得ていく。最初に寄り添い、顧客にとって最初の相談相手になることが重要だ。「コンセプチュアルセールスでポールポジションを取ることができれば、後の商談を有利に進めることができる」(コンベックス 美里泰正社長)。ポールポジションとは、モータースポーツの用語で最前列のスタート位置を指す言葉だ。住宅営業においても、顧客の最初の相談相手となることに大きな意味がある。ポールポジションを取ることで、営業担当者は顧客理解を深めた状態で提案から商談を始められるため、スタート地点を前へ進めることができるのだ。

コンベックスの美里泰正社長は「ポールポジションを取ることができれば、後の商談を有利に進めることができる」と語る
一方向の配信から、1対1の継続対話へ
では、どうすれば顧客との対話を継続し、関係を深めていけるのか。モデルハウスへ来場したとしても、初回で契約に至るケースは稀だ。他社のモデルハウスを見学したり、情報を調べるなかで、顧客のニーズは具体化し、家づくりの優先順位や予算も変化していく。そのため、常に顧客一人ひとりの価値観や検討状況に応じて、1対1の双方向対話を重ねる必要がある。一方で、質の高いオンライン営業を実現するには、単に返信を早くするだけでは不十分だ。どのような質問なら顧客が答えやすいのか、どの順番で聞けば要望を言語化できるのか、どのタイミングで情報提供や来場提案を行うべきか。こうした会話の設計が、顧客との関係や来場・商談の質を左右する。しかし、その対話を営業担当者個人の経験だけに委ねれば、顧客接点の量と質にばらつきが生まれる。そこで力を発揮するのが、「Digima AI エージェント」である。
双方向の対話を支えるマルチチャネルと業界特化の営業知見
現代の住宅営業における顧客とのコミュニケーションは、ほぼスマートフォン上で行われる。やりとりの手段もメールだけでなく、SMSやLINEなど多岐にわたる。「Digima AI エージェント」は、これらの主要チャネルを横断して顧客との接点を管理し、双方向の対話を継続できる。さらに、一番の強みは、単に生成AIで文章を作成することではない。Digimaが住宅・不動産領域で数百万件規模の顧客コミュニケーションを扱うなかで培ってきた営業知見をもとに、顧客との「会話のラリー」を設計できる点にある。
AIが準備を整え、リアル営業が決める
住宅営業の最大の価値は、リアルな場で行われる人と人との対話にある。「Digima AI エージェント」がオンライン上で顧客との対話を重ね、潜在的なニーズや価値観、検討状況を整理する。そして、顧客の中に「この会社へ相談してみたい」という理由が生まれた段階で、人の営業へバトンを引き継ぐ。その結果、初回面談で「どのような家をお探しですか」と一から聞き直すのではなく、顧客が大切にしている価値観を踏まえた具体的な提案から商談を始めることができる。AIがオンラインで顧客理解を深め、リアルな営業担当者が提案と意思決定に伴走する。AIが営業担当者に代わるのではなくAIが準備を整えることで、人の営業を強くする。これが、AIと人が互いの強みを生かす「ペアセールス」である。
住まいの最新ニュース
リンク先は各社のサイトです。内容・URLは掲載時のものであり、変更されている場合があります。
イベント
内容・URLは掲載時のものであり、変更されている場合があります。
-
PICK、金利上昇に備える住宅ローン提案の解説セミナーを開催
2026.09.03
-
ダイテック、LIFEFUNDの白都氏を迎え、AIテーマに特別対談セミナーを開催
2026.08.17
-
ジャパンホームシールド、液状化リスクと説明責任に関する無料ウェビナー開催
2026.08.17








