「心地いい」が選ばれる時代へ 庭・外構は“感性価値”の競争に

タカショー 代表取締役社長 高岡伸夫 氏

 

タカショーは7月23日(木)、24日(金)にわたり東京流通センター(東京都大田区)で「第23回タカショーガーデン&エクステリアフェア2026(TGEF2026)」を開催する。今、ガーデン・エクステリアに求められる価値と、それを踏まえたTGEF2026での提案についてタカショーの高岡社長に聞いた。

──庭の持つ役割や価値についてどのように考えていますか。

タカショー 代表取締役社長 高岡 伸夫 氏

ガーデンライフスタイルメーカーとして始まった当社は「やすらぎのある庭空間を通じて幸せな暮らしをつくる」という理念を持っています。そして、「家」の暮らしと「庭」の暮らしがあることで幸せな「家庭」になると考えています。住宅が狭小化する中でも、家の中の暮らしを外に広げたり、リビングガーデンのように外の暮らしを家の中に持ち込むことで健康で幸せな暮らしが築けると思います。むしろ、これからの時代、必要以上に家を大きくすることは、管理や掃除が大変になりかえって暮らしの負担につながるかもしれません。

今、日本で非常に大きな課題となっているのが「2040年問題」です。2040年頃になると、高齢化が極限に達し、医療や介護の現場でベッドが足りなくなる、しかしベッドを増やすと、その後の人口減少で過剰に病床を抱えるリスクがあります。そのため、政府は病院のベッドをこれ以上増やさない方針をとっており、日本人の健康寿命と平均寿命の間にある約9年間の差をどうやって短くし、健康寿命を平均寿命に近づけていくかに力を入れています。ここに私たちの「庭の暮らし」が深く関わってきます。

海外、特にヨーロッパや北米などでは、庭をつくるだけで保険会社から補助金が出る国もあります。日常的に庭で過ごし、植物に触れ、体を動かすことが「健康をつくる」ことにつながり、結果として医療費や保険金の支払いを減らすことになるからです。これからの時代は、「健康をどうやってつくるか」が最も重要なキーワードになります。「自宅療養」や「遠隔医療」の技術が着々と進化するなか、ハウスメーカーなども一斉に健康の分野へ参入してきています。私たちは、庭の暮らしや地域の暮らしからライフスタイル全体で健康をつくることを目指しています。

──これからの時代、私たちは「住まい」や「コミュニティ」とどのように向き合っていくべきなのでしょうか。

タカショーの提案する庭と室内の中間領域「5th ROOM」

住まいに対しては、「個人が長く所有するもの」から「仮のもの」という意識が高くなり、どう次へつないでいくかが重要になるでしょう。選び方も、これまでは会社の近くに住む人が多かった。しかし、これからの時代は、住みたくなるような環境がある場所に住まいを持ち、そこで仕事を探すというように順序が変わると思っています。だからこそ、ハウスメーカーは「ここに住みたい!」と思わせる環境をつくることが必要になります。

ヨーロッパやオーストラリアなどの家には、アウトドアリビングと呼ばれる、リビングとつながったテラスや中庭などがあり、週末はそこで音楽を流したり、ワインを飲みながら、何時間も歓談を楽しんでいます。かつての日本の住宅では、縁側がそのような機能を担っていましたが、今は縁側がある住宅が減りました。何より、家の中を通らずに庭へ行ける勝手口のようなものがなくなったので、人を呼びづらい。片付いていない家の中で集まるのは、招く方も、招かれる方も気が休まりません。

当社は、縁側のような機能を持った庭と室内の中間領域として、「5th ROOM」を提案しています。「5th ROOM」はこれからどんどん採用が増えていくと予想しています。何と言っても緑が気持ちいい。そして、外にいると、家の中ではあまり感じられない時間の流れを感じることができます。庭に出て、人と話して笑える空間をつくることで、認知症の予防、ひいては孤独死を防ぐことに繋がるのではないでしょうか。

当社は高付加価値な住環境を求める市場へのアプローチとして、素晴らしいアプリケーションやライフスタイルを提案しています。料理で言えば「調味料」のような役割ですね。調味料があるかないかで、料理の味が全く変わってしまう。住宅も同じで、大手ハウスメーカーをはじめ、良い家を作られる会社ほど、私たちの提案する「庭」や「緑」をうまく取り入れてくださっています。

進化するコントラクト市場と感性価値へのシフト

──庭の価値や役割を伝えるイベントとして毎年TGEF(タカショーガーデン&エクステリアフェア)を開催しています。


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