Looop、「上げDR」で余剰電力の需要を創造 環境省の実証事業で効果を確認
複数機器の制御で大きな電気代削減効果が
再生可能エネルギーの導入拡大で大きな課題となりつつある電力の需給調整。
余剰電力を有効活用する「上げDR」について、行動変容と機器制御の2つの実証を行い、その効果を確認した。
Looopが「令和7年度昼の再エネ余剰電力需要創出モデル実証(市場連動型電気料金プラン)」の結果を公表した。
同事業は、環境省が実施する「デコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)」の一環として実施したもので、行動変容型、機器制御型の2つの実証において「上げDR」(上げディマンドリスポンス=その発動により電気の需要を増やすこと)の効果を確認できた。
電気は発電する量と使う量のバランスを調整する必要がある。この需給バランスが崩れると停電のリスクが高まるためだ。太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの導入拡大により、昼間に需要を超える発電がおこなわれ、電気が余ってしまう。
この昼間の余剰電力を有効活用するためには、電気の使用時間を昼にシフトする「上げDR」が有効とされている。
今回の実証事業の内容は、昼間の余剰電力有効活用に対する消費者の認知度向上が目的。具体的には、①行動変容型DR実証と、②機器制御型DR実証の2つを行った。環境省は今回の結果を27年度からの「上げDR」の社会実装につなげていく。
レコメンデーションが行動変容に
ゲーミフィケーションで認知向上も
「行動変容型DR実証」は、市場連動型電気プランの「Looop でんき」の契約者に対し、一般的なDRグループ(公式アプリで一律内容でDR行動を促すメッセージを通知)、レコメンデーション提供(公式アプリで参加者が持つ家電の種類に合わせた内容でDR行動を促すメッセージを通知)、インセンティブプログラム提供(推奨タスクを提示し達成量に応じてランクが上昇し、金銭的インセンティブを付与)を行ってDR量の変化を検証した。
結果は、全体的にゆるやかなDR傾向が確認できた。特にレコメンデーション提供グループがDR量、DR観測日数が全体的に多く、レコメンデーション提供が継続的して行動変容を実施するハードルを低減する効果が確認された。一方で、約3割が「通知をあまり見なかった」といった課題があった。これらを踏まえ、今後、通知方法の強化や在宅状況や生活パターンまで含めた個別最適化した行動提案が重要と指摘された。
インセンティブプログラム提供グループについては、一般的なDRグループよりもDR量、DR観測日数も少ないという結果になった。これは「昼間のDRへの関心は高まったが実際の行動に結び付かなかった。ゲーミフィケーション(タスク)のやり方を検討する必要がある」(Looop 戦略本部GX推進部・渡邊裕美子部長)という課題を浮き彫りにした。
一方、実証を通じた「再エネ余剰電力についての認知」は、インセンティブプログラム提供グループが33.1%、レコメンデーション提供グループが26.7%、一般的なDRグルーブが24.4%であり、インセンティブブログラム提供グループが高く、ポイントを獲得できるタスクとして再エネ余剰電力に関するクイズ回答やコラム読了を設けた効果と推察された。

複数機器の制御でより大きな効果
EV+エコキュートで年間3.6万円削減
「機器制御型DR実証」は、EV・エコキュートの単独機器制御(計86世帯)、EVレコメンド(計38世帯)、EVとエコキュートの複数機器制御(計10世帯)の3つのグループで実証を行った。単独機器制御はアプリ通知はなし、EVレコメンドグループと複数機器制御グループは電気が安い時間にEVケーブルのプラグインを促す通知を送信(EVレコメンド)を行った。これはEVはプラグインしていなければ外部からの制御ができないためである。
結果は、EV単独制御の場合、レコメンドの有無で昼の上げDR量が多く確認され、かつEVの出発時刻を日中の時間帯に設定する割合が高くなり、レコメンドが昼間の上げDRに貢献した可能性が指摘された。
また、複数機器制御については、単独機器制御よりも相対的に大きい効果が得られた。複数機器制御のDR量は約0.35kWhで、電気代削減効果は約100円/日。電気代削減効果を年間比較すると、複数制御機器は約3.6万円相当、エコキュート単独機器制御は約2.2万円相当、EV単独制御は約1700円相当と、大きな差となる。
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