New   2026.3.19

積水ハウス、2028年度売上高5兆円超を目標 新中期経営計画を発表

 

積水ハウスが2026年1月期の決算を発表し、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。
併せて発表した「第7次中期経営計画」では、国内での「グループ総合力による経済圏の深耕」、海外での「ゲームチェンジに向けた成長基盤の構築」という2本柱の方針を打ち出した。

売上高・利益ともに過去最高を更新
国内ストック、開発型がけん引

2026年1月期(2025年度)の連結決算は、売上高が前年同期比3.4%増の4兆1979億円、営業利益が同3.0%増の3414億円となり、いずれも過去最高を更新した。米国の戸建住宅市場が減速したものの、国内事業の安定成長に加え、開発物件売却などで補い増収増益となった。

セグメント別では「請負型ビジネス」における戸建事業は、高付加価値提案が奏功し、注文住宅の1棟平均単価が前年度の5248万円から5642万円に上昇。売上高は前年比±0%の4789億円だったが、営業利益は同4.3%増の480億円となった。賃貸・事業用建物事業も、都市部に集中したエリア戦略などにより受注が堅調に推移し、売上高が同3.6%増の5648億円、営業利益が同7.4%増の878億円と好調だった。

賃貸管理やリフォームを担う「ストック型ビジネス」も堅調だ。98%という高水準の入居率を背景に賃貸住宅管理事業が利益を伸ばし、増収増益。リフォーム事業でも、戸建および賃貸の資産価値向上に向けたリノベーション提案が受け、増収増益。セグメント全体の売上は同17%増の9005億円、営業利益も同16.2%増の969億円と大きく成長した。

不動産事業やマンション事業、都市再開発事業を含む「開発型ビジネス」も好調で、売上高は前期比17.1%増の6819億円、営業利益は同35.1%増の949億円と大幅に伸長した。特に東京・名古屋・大阪・福岡の四大都市圏の一等地に絞った戦略が奏功し、物件売却が計画以上に進展した。

一方で、「国際ビジネス」は厳しい結果となった。売上高は前期比0.6%増の1兆2863億円と横ばいだったが、営業利益は同50.5%減の391億円と半減した。米国での住宅ローン金利の先行き不透明感から顧客の様子見姿勢が続き、販売促進のための値引きなどのインセンティブが増加したことなどが影響した。

住宅用地の提案力を強化

これで25年度までの3カ年合計で売上高11兆3637億円、営業利益9437億円となり、第6次中期経営計画の目標である売上高10兆260億円、営業利益8580億円を大幅に上回り、達成した。新たに発表した2026年度から2028年度までの3年間を対象とする「第7次中期経営計画」では、最終年度となる28年度に売上高5兆260億円、営業利益4500億円、3カ年合計で13兆円9050億円、営業利益1兆1700億円という野心的な目標を掲げる。国内は「グループ総合力による『積水ハウス経済圏』の深耕」、海外は「ゲームチェンジに向けた成長基盤の構築」という2本のテーマを中心に戦略を展開する。

収益計画

国内におけるキーワードは「積水ハウス経済圏」だ。仲井嘉浩社長は「我が社がこれまで供給した累計280万戸超の住宅には、オーナーやその家族、賃貸住宅の入居者を含め、推計1000万人以上が暮らしている」と説明。この顧客基盤とそれを支える積水ハウスグループ全体を「積水ハウス経済圏」と定義付け、それを深めていくことを中計の国内のテーマとした。「単なるグループ連携というよりも、強いインパクトのある『経済圏』という言葉を使った。かねて様々な専門性強化の改革を進めてきたため、住宅に関するあらゆるニーズに対し、ワンストップでソリューションを提供できる体制が整った」と自信をみせた。

具体的には、戸建住宅では従来の方針通り価格帯別の3ブランド戦略を継続しつつ、富裕層向けの3rdレンジを強化すべく都市部へ人材を再配置する。また、土地も併せて取得することが多い中間層の2ndレンジに向け、積水ハウス不動産と連携しながら住宅用地の提案力を高める。また、最も価格帯の低い1stレンジでは、スケルトンと施工を積水ハウスが担う「SI事業」の展開と、積水ハウス不動産による分譲住宅ブランド「ノイエ」の拡大を図る。請負の賃貸事業では、都市部一等地での4階建てシャーメゾンの販売に注力する。

ストックではDXで業務効率化

ストック型ビジネスでは、賃貸管理数を伸ばしつつ、DXを活用した効率化をさらに進める。

仲井社長は「DX投資の効果が最も収益に跳ね返るのは賃貸管理。人員を増やさずDXでカバーして業務効率化を図っていきたい」話した。リフォームでは、アフターサービス事業を分社化した積水ハウスサポートプラスを中心に、顧客との接点強化に努め、戸建、賃貸ともに建物の長寿命化や資産価値の最大化を図る適切なリノベ―ションを提案していく。

米国では27年春から「New2×4」モデル

第7次中期経営計画について説明する仲井嘉浩社長

海外の特に主戦場の米国においてはさらなる攻勢をはかる。26年1月には買収した現地の住宅ビルダー4社を「Sekisui House U.S.Inc.」として完全統合した。一社体制に刷新し、積水ハウスの技術を全米に広げる体制を整えた。仲井社長は新中計を「ゲームチェンジャーになるための極めて重要な3年間」と位置づける。「これまで販売してきた一般的なツーバイフォー住宅に代わり、27年春には積水ハウス独自の技術を盛り込んだ新ブランド「New 2×4」、翌28年には同ブランドバージョン2のモデルホームを各地にオープンさせる予定だ。「この準備により、2029年以降の加速につなげる」(仲井社長)

28年度の米国戸建住宅の受注戸数は25年度比25%増の1万4300戸を計画する。価格帯も、より中高級層へのシフトを図る。仲井社長は「商品(Product)、価格(Price)、土地(Place)、販売(Promotion)、人材(People)。3年間でこの5つのPを深め、ゲームチェンジャーとしての基盤を構築していきたい」と宣言した。