New   2025.12.19

元旦ビューティ工業の無足場RC外断熱工法 型枠から化粧仕上げまで一貫対応で効率化を実現

 

関連会社の元日マテール(神奈川県)で扱っていた無足場・鉄筋コンクリート外断熱工法の「ガンバリ工法」を元旦ビューティ工業でも展開する。職人不足に貢献し、耐久性・快適性の高い新たな住宅として提案を進める。

「ガンバリ工法」とは、アルミ化粧板と断熱材が一体となった「ガンバリボード」と、繊維強化プラスチックの内部型枠(Gパネル)を組み合わせた無足場で施工ができる鉄筋コンクリート乾式外断熱工法だ。建物の内側から全ての工程を行えるため足場を作る必要がなく、通常の型枠工事の約3分の1の時間で完成する。

施工には、アンカーボルトを兼用するオリジナルの断熱セパレータを使用し、外装材を直接コンクリート躯体に固定する。サッシを取り付ける開口は工場でプレカットしたものを出荷するため、現場作業が少なく、施工性を高めつつ、工事に伴う騒音トラブルを回避する。

2011年から関連会社の元日マテールで取り扱ってきたが、今年11月より、元旦ビューティ工業でも取り扱いを開始した。

多くのメリットを持つ
日本の住宅環境に適した工法

ガンバリ工法で建てた住宅

無足場施工で、敷地の限界まで建物を建てられる「ガンバリ工法」は、これまで、特に狭小地に建設する店舗やオフィス、住宅などに採用されることが多かった。一方で、元旦ビューティ工業の舩木元旦(ふなき・もとかつ)代表取締役会長は、「『ガンバリ工法』は狭小地以外でも採用するメリットが多くある」として、狭小地以外の住宅などにも提案を進めていく。

例えば、「ガンバリ工法」は柱を必要としないコンクリート壁式構造のため、間取りの自由度が高く、家族構成の変化に合わせた間取り変更が可能だ。また、コンクリートのため風雨による影響も少なく、わずかなメンテナンスで高い耐久性を実現する。

住宅産業が新築からストックへと移行するなかで、中古住宅に注目が集まるが、「ガンバリ工法の家であれば、内装や間仕切りを変更することで、時代に合った最新の住宅にアップデートできる」(舩木会長)。コンクリート造で遮音性も高いため、集合住宅としても人気が高い。

断熱材の厚みは60㎜、80㎜、100㎜の3つで展開し、ニーズに合わせて対応する。また、コンクリートには蓄熱性があるため、暖房や冷房を切った後でも快適な室内温度を保ちやすい。

断熱セパレータは、ボルトで固定した後に、樹脂カバーを残して金属軸を引き抜く独自の方式を採用。金属の軸が熱橋となって、結露することを防ぐ。加えて、コンクリート造のため地震や火災にも強く、日本の住宅環境に適した造りだと言える。

さらに、専用のエクステリア取り付けクリップを用いれば、外装材に穴をあけずに自由にエクステリアを設置することも可能。グリーンカーテンや壁付けソーラーパネル、ひさしなどを、いつでも好きな場所に設置でき、居住者のアイデアを生かして外観をデザインできる。

直近では、従来扱っていたアルミ仕上げ材に加えて、価格を抑えたガルバリウム鋼板の仕上げ材もラインアップに追加した。

「新築住宅市場は縮小傾向にあり、これまでと同じ商材だけでは勝ち残れなくなっている。ガンバリ工法は施工方法を覚えれば工務店でも取り扱いできるため、提案力を高める武器として使ってほしい」(舩木会長)とする。