New   2025.12.23

諸戸の家、「0次予防」型ウェルネスハウスを発表 健康寿命延伸を志向する新コンセプト住宅

 

東京や名古屋で高級分譲住宅を展開する諸戸の家(三重県桑名市、松本浩二代表取締役)が、「0次予防」を取り入れた戸建住宅「WELLNESS HOUSE(ウェルネスハウス)」を発表した。

諸戸の家が0次予防を設計に取り入れた住宅「ウェルネスハウス」を東京都世田谷区深沢地区に完成させた。0次予防とは、社会環境や住環境を整えることで自然と健康を保てるようにする予防の考え方で、新たな概念として注目されている。同社はこの考え方に着目し、医師の中田航太郎氏、庭園デザイナー石原和幸氏の協力のもと、住むだけで自然に心身を整える家をコンセプトに設計した。担当した同社の井上翔太レジデンスプロデューサーは、「健康に配慮した住宅は他にもあるが、医師が設計段階から監修した0次予防住宅は、国内でも初の試み」と話す。

和の雰囲気を取り入れたリビング。ガーデンデザイナー石原氏による庭と室内の緑化により、心やすらぐ空間となっている

完成した「ウェルネスハウス世田谷深沢邸」は、東急田園都市線桜新町駅から徒歩約12分の立地で、敷地面積349.89㎡、延床面積330.60㎡の木造2階建て。広い敷地を生かし、2台のビルトインガレージや庭園のスペースを確保しながら、同社の都内の分譲住宅としては初めて1階にリビングルームを設けた。

0次予防の設計ポイントとして、生活動線の中にサウナ、瞑想室、トレーニングルームなどを設け、無理なく健康習慣を取り入れられるようにした。サウナは体温を一時的に上昇させた後、急速に下げることで良質な睡眠につながる効果があるとされる。約3畳のサウナで体を温めた後、野外の水風呂で体温を下げ、隣接した寝室で就寝できるよう動線を意識した。また、デジタルデトックスやマインドフルネスの時間を取り入れられるよう、ロフト部分は低い天井の瞑想室とした。廊下には大きな姿見を設置し、姿勢や体調のセルフチェックを促すよう工夫した。

最新技術も活用した。スマートホーム化により、エアコン、照明、シャッター、カーテンなどを住人の体内リズムに合わせて自動制御できるようにした。また、全館浄水システム、全館空調も導入し、睡眠と健康の質を高める住空間を整えた。 

ロフトに設けた瞑想室。パソコンやスマートフォンを多用する日常から離れ、デジタルデトックスする場としての使用を想定している

庭園デザイナーの石原氏による緑化もポイントの1つ。国土交通省が2004年に行った「都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査について」の調査では、人の視界に占める緑の割合である「緑視率」が高まるほど安らぎを感じる人が多くなるとされており、特に緑視率10~15%の環境では、ストレスが最も低下し、集中力が高まるという。今回の物件では、玄関や庭の植栽だけでなく、室内にも緑を多く配し、どこにいても緑が視界に入る癒しの空間づくりに努めた。

「0次予防」というコンセプト、立地、7億円台後半という価格帯から、経営者、芸能人、アスリートなどの顧客を想定している。井上氏は「まだ発表したばかりだが、良い反響を得ている」と話す。今後も、富裕層向けに0次予防の住宅を展開していく方針だ。井上氏は「こうした0次予防の住環境を標準仕様にすることも視野に入れている。今回は実現できなかったが、体重管理、空間の匂い、音環境などまだブラッシュアップできることがある。顧客の反応やヒアリングを通して、さらに進めていきたい」と展望を語った。