PFIで新たな多世代交流施設 〝にぎわい〟創出で地域活性化の拠点に
注目!PROJECT「やすらガーデン(安成工務店)」
山口県下関市で公民連携による整備が進んでいるのが「やすらガーデン」だ。
市役所支所、図書館などが入る複合施設、都市公園、書店やカフェ、保育園などの施設、シェアハウスや分譲住宅などからなり、エリアの〝にぎわい〟を創出する。
「やすらガーデン」は、公共施設と都市公園に加え、住宅など余剰地の民間活用を行った複合施設だ。

下関市の中心市街地から約10㎞に位置する安岡地区は、エリア人口1万6000~1万7000人程度。この地には、もともと下関市園芸センターがあり、約60年間にわたって種苗の開発が行われ、園芸のワークショップ開催など地域住民の憩いの場となっていた。また、近くに下関市役所の安岡支所もあったが、ともに老朽化が進んでおり、これら公的施設の再配置、機能の再集約が市の課題としてあがっていた。さらに近辺に図書館がなく、市民の図書館機能に対する要望も強かったという。こうしたことから、市はコミュニティセンター、公立図書館を含む複合施設を、民間活力を導入したPFI(BTO方式=建設し、所有権を移転し、運営管理する方法)により再整備することになった。目指したのは、緑あふれる多世代交流施設である。
この「安岡地区複合施設整備事業」の入札において、2022年に安成工務店を代表企業とするコンソーシアム「モア・ザン・グリーン」(特別目的会社=SPC)による提案が選定され、同年8月に着工、24年に引き渡し、開業準備期間を経て25年1月に公共施設の供用が開始。この先15間、この維持管理をSPCが担っていく。
複合施設に支所、図書館など市民のコミュニティ拠点も

この複合施設整備は、地域のにぎわい創出と、居住環境の向上を目指すものである。
敷地は、旧園芸センター跡地の約1万3880坪。ここに複合施設棟、園芸棟、駐車場、芝生広場で約5000坪、都市公園で約5400坪を使用することが決まっており、残りの三千数百坪が民間活用地とされた。
市が示したコンセプトは、「緑あふれる多世代交流型コミュニティ空間の創造」で、地域住民が気軽に集える場、学び・遊び・育ちを支える拠点、緑と調和した空間づくりである。
モア・ザン・グリーンの提案は、中心に複合施設(支所、コミュニティセンター、図書館)を据え、その前に広がる「芝生広場」を囲うように保育園、ブックカフェ、レストランなどを建設するもの。複合施設の裏側は小高い山となっているが、ここを都市公園として整備、ウォーカブルなつくりにして子供たちや高齢者にも使えるようにした。また、駐車場の外周に沿って環境共生住宅15区画の分譲も行う。
「複合施設棟」は鉄骨造2階建てで、延床面積は約2790㎡。支所(約270㎡)、図書館(約800㎡)、コミュニティ施設(約300㎡)が入り、吹き抜けのアトリウム(約300㎡)はガラス張りで「芝生広場」を見渡すことができる。シェアキッチン、研修室、レクリエーションルームは市民に活用され、ヨガ教室や音楽の演奏などが行われており、稼働率は70%程度となっている。
園芸センター棟は、木造1階建てで延べ床面は約300㎡。実習・園芸相談施設で、展示室も設けられている。
このエリアはもともと緑豊かな場所であり、園芸センターで種苗の開発などが行われていた。こうした環境を生かした都市公園は、園路約140ⅿや種まき花壇約420㎡などを整備、眼下に広がる安岡地区の街並みと海岸線を一望することができる。
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