ウッド・ハブ合同会社 規格化した木造フレームシステムを開発
中大規模木造市場を拡大するオープンソースに
木構造専門の構造設計事務所、ウッド・ハブ合同会社(新潟県三条市、實成康治代表)は、規格化したフレームシステム「WHフレームシステム」を開発し、業界各社と連携して運用を開始した。オープンソースとして普及拡大させ、中大規模木造市場拡大をけん引していきたい考えだ。

伐採期を迎えた国産材の利用拡大に向けて、建築物の木材利用を促進していこうとする機運が高まり、木造建築市場に追い風が吹いている。また、脱炭素、SDGsといった観点からも、循環型資源であり、炭素貯蔵効果が期待できる木材を建築物に積極的に活用していこうとする動きが広がっている。中でも新市場として期待を集めるのが中大規模木造市場だ。人口減から新設住宅着工戸数が減少することが見込まれる中で、非住宅、中高層住宅や店舗・事務所をはじめ住宅以外の建築物での木材利用の促進を進める動きが活発化している。2023年の新設住宅着工戸数は3年ぶりに減少し、中でも持ち家(注文住宅)は前年比10%以上減と2年連続落ち込んでいる。戸建て住宅に代わる成長市場としても中大規模木造市場への注目度は高まっている。
しかし、「経験がない」、「木造の構造がわからない」、「施工がわからない」、「コストがわからない」、「どこに相談してよいかわからない」といったさまざまな参入障壁があり、実際には市場の伸びは鈍いという指摘もある。23年度森林・林業白書によると、我が国の23年の建築着工床面積の木造率は44.7%であり、用途別・階層別にみると、1~3階建ての低層住宅は80%を超える。しかし、低層非住宅建築物は15%程度、4階建て以上の中高層建築物は1%以下で、低層住宅以外の非住宅・中高層建築物の木造率は、5.8%と低い状況にある。
こうした背景を踏まえて、ウッド・ハブ合同会社の實成代表は、「4階建て以上、大規模の建築物は、S造、RC造の領域で、木造化するハードルは高いが、中規模で3階建て以下、特に平屋の建物は無理なく木造で建てることができる上、S造に対してコスト競争力を十分に発揮できる領域。つまり、工務店の新たなビジネスチャンスにつながる」と指摘する。軽量鉄骨造(S造)が高騰する近年、住宅生産インフラ(住宅用一般流通材、既製品の接合金物、プレカット)の進化により非住宅木造の建設コストが下がり、大きな空間にも無理なく対応できるようになってきている。實成代表は、「スパン13m程度、軒高6m程度の空間であれば鉄骨造に対して十分にコスト競争力のある建物が実現できる」と話す。

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