モバイル建築研究プロジェクト発足 新住宅生産方式で国土強靭化を
立教大学社会デザイン研究所と(一社)日本モバイル建築協会が協働
立教大学社会デザイン研究所は、2025年度新規研究開発プロジェクトとして、「モバイル建築研究プロジェクト」を発足した。(一社)日本モバイル建築協会(長坂俊成代表理事:立教大学 社会学部 社会学科 教授)と共同で実施するもので、恒久仕様の木造モバイル建築を用いた応急仮設住宅の普及に取り組んでいく。プロジェクトを開始するに当たり、キックオフミーティングを開催した。
モバイル建築研究プロジェクトのキックオフミーティングには、長坂理事長の他、ウッドステーションの塩地博文会長、同協会の主席コンサルタントを務める、クリエイト礼文の大場友和代表取締役、一条工務店グループのHRDで技術開発責任者、代表取締役を務め、同社を定年退職後、同協会の技術アドバイザー兼主席コンサルタントを務める萩原浩氏が登壇した。


南海トラフ巨大地震などを考慮すると、平時から被災後に大量の応急仮設住宅を供給する仕組みを構築しておく必要がある。しかし、同協会では、現在のプレハブ仮設住宅は量的、質的に限界があると考えている。そこで同協会では、国産材を利用した本設移行が可能な恒久仕様の木造モバイル建築の普及を促進しようとしている。
能登半島地震では200棟超の応急仮設住宅を建設
同協会が提供するモバイル建築は解体せずに何度も移設することができる。大半を工場でつくり、内装、設備などを含めて全て完成した状態のものを建設現場にトラックで輸送し、現地に打設した基礎の上にのせて緊結する。一般住宅と同様に給排水の接続も可能だ。耐震等級3同等以上、3地域において断熱等級5以上と、高い性能を標準スペックとしていることも特徴だ。
能登半島地震では、同協会も応急仮設住宅建設の一翼を担い注目を集めた。200戸超の建設型応急仮設住宅を供給した。(一社)日本モバイル建築協会の会員企業である一条工務店、東急建設、熊本県の地域ビルダーのスペースエージェンシー、木造大型パネルの受託加工サービスを展開するウッドステーションを中心とする4つのグループが、それぞれの仕様のモバイル建築をつくり供給する体制を構築している。恒久仕様の木造モバイル建築を用いての、本設の復興住宅に移行可能な応急仮設住宅が建設されることは、今回が全国初となった。2年間、応急仮設住宅として利用された後は、本設の災害公営住宅への転用することなどを想定している。
なお、同協会は25年4月、(一社)レジリエンスジャパン推進協議会 ジャパン・レジリエンス・アワード事務局が主催する第11回「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)」において、最優秀賞を受賞した。同協会は、能登半島地震での応急仮設住宅建設の実績も踏まえ、新たにスタートするプロジェクトでは、リスクガバナンス及び災害レジリエンスの視点から、木造モバイル建築に関する技術開発及びモバイル建築の生産・供給・建設を支える木造住宅の工業化、DX化及びサプライチェーンに関する研究開発と社会実装に取り組む。
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