家そのものを制震ダンパーに変える制震テープ 「本当にいい家づくり」を追及する工務店などに支持拡大
アイディールブレーン「制震テープ」
制震テープは、高層ビル用の制震装置に使用されている粘弾性体を、木造住宅用として厚さ1㎜の両面テープに加工したもの。柱・梁と耐力面材の間に挟み込むことで優れた制震効果を発揮する。木造住宅では、柱・梁に耐力面材を釘打ちすることで構造的な強さを確保しているが、繰り返しの地震に見舞われると釘穴が緩み、釘自体が曲がり、耐震性が低下し、倒壊する危険性が高まる。対して、柱・梁と耐力面材の間に制震テープを挟み込むことにより粘弾性体が地震エネルギーを熱エネルギーに変換し地震力を低減する。また、制震テープは住宅全体に分散して配置するので、建物のどこか一か所に力が集中することを防ぎ、バランスよく揺れを吸収。住宅そのものがまるごと制震ダンパーの役割を果たす。制震テープを採用した住宅が巨大地震に耐え抜く事例が増え、「知る人ぞ知る究極の制震」として口コミで評判は高まっている。
より高いレベルの断熱性能が求められる中で、気密性の向上を図りやすくなることも制震テープが支持を集める要因の一つになっている。また、職人不足を背景に木造住宅の躯体を工場でつくる大型パネルの存在感も高まっているが、その大型パネルに組み込むことで制震テープ施工のハードルはクリアしやすくなる。
埼玉県川口市内にある同社川口技術研究所の実験施設では、静的・動的アクチュエーターを用いた耐震試験が可能で、同社の製品開発の根幹を成す場となっている。柱や面材など他の材料と組み合わせて使われる制震テープの実験は、様々な材料、様々なシチュエーションによって実施され、自然災害に対する姿勢をうかがい知ることができる。
そうした同社の開発環境から生み出された製品への自信の表れの一つが、例えば年間100名以上の建築関係者が見学に訪れる「公開実験」だろう。強度のバラツキがつきものの木材と組み合わせた性能検証を包み隠さず行い、優れた性能を実証している。「本当にいい家づくり」を追及する工務店や、建築家などからの支持を集め、採用実績も着実に増加している。
南里晃一郎 執行役員 技術営業部長は、「工務店から『構造を見直したいが、どういう材料を採用すればいいか』と相談を受けることも増えている。制震テープは面材と接するので、『この面材との相性は』といった話から始まることが多い。実験施設なども活用して工務店をサポートして一緒に『いい家づくり』に加わっていくことができる。制震テープを売ることは仲間づくりでもある」と話す。
技術営業部と称する同社の営業部門のスタッフは、全員が開発・実験に直接関与しているため、知識や経験のほとんどが「自分の目で確かめたもの」だという。パンフレットに収まりきらない豊富な知見をもって、顧客と構造に関するコンサル的な関係を築いている。
アイディールブレーン
03-6910-0411
https://ibrain.jp/
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