「共創」で新たな事業領域の拡大を

ミサワホーム 作尾徹也 社長

 

高付加価値賃貸を地方都市にも

─まずは、2024年の住宅市場と御社の取り組みを振り返っていかがですか。

ミサワホーム 作尾 徹也 社長

作尾 徹也(さくお・てつや)
熊本県出身、1955年生まれ。80年東京電機大工卒。81年ミサワホーム入社。06年に執行役員商品企画部長、12年に常務執行役員、14年に取締役常務、18年から取締役専務。22年6月から現職。

人口減少、少子高齢化など住宅市場の厳しさは変わりませんが、その中で住宅メーカーとしては、いかに付加価値の高い魅力ある商品を納得のいく価格で提供していくかが求められるのだと思います。政府も省エネや子育て支援など需要を支えてくれており、補正予算にも織り込まれているため、その効果にも期待したいです。その中で当社はZEHを超える未来基準のLCCM住宅に対応できる新企画住宅「スマートスタイル・ルーミエ」を開発、発売するなど技術力を満載した納得価格での商品開発にチャレンジしています。

新築戸建市場は厳しい環境にありますが、その中で有望市場としてとらえているのが賃貸市場です。住宅価格が高騰する中で、住まいの選択肢として経済的にも余裕のあるパワーカップルなども賃貸住宅に目を向け始めています。そうなると、グレードが低く、面積も狭いこれまでのアパートでは見向きもされません。戸建住宅並みのグレードが求められています。すでに首都圏では、この高級賃貸の傾向が明らかになってきています。

その中で、当社の独自技術による高付加価値の賃貸が注目されているのです。「蔵のある賃貸住宅」はそのひとつです。高い天井、高い収納力、デザインなどが好評で、多くの入居者に喜ばれています。賃貸は、いわば経営ですから、入居者の満足度が高く、空室の出ないことが賃貸オーナーにとっては一番の条件なわけです。管理を任される仲介不動産会社にとっても何よりの安心条件でしょう。この「蔵のある賃貸」で、強靭性や防犯性なども加えて攻勢をかけようと思っています。そのために首都圏はもとより全国の地方都市での市場開拓にも力を入れていきます。例えば、その一環として地方ディーラーの営業マンに賃貸に強い首都圏営業本部などでの研修の機会を与え、そこで賃貸営業のノウハウを学んだ後、地方で力を発揮してもらう。ハイレベルの賃貸マーケットは、地方ではまだ新しい市場で、十分に開拓の余地があると思っています。

空間提案のリフォーム展示が好評

─ストック事業も大きな経営の柱ですが、その軸となっているリフォームの状況はどうですか。


この記事は会員限定記事です。
無料会員になると続きをお読みいただけます。

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。