(一社)日本ホームステージング協会 空き家+ホームステージングで地域活性を
シニアのスマクラ診断で空き家予防にも取組み
2025年度事業として空き家+ホームステージングに取り組む。空き家をホームステージングすることで新たな事業創出、流通促進につなげていく。
(一社)日本ホームステージング協会が2025年度の事業テーマの一つとして「ホームステージングで空き家の課題解決に貢献する」をテーマに据え、取り組みを進めていくことを明らかにした。
設立から12年を迎える同協会は、「誰も知らなかったホームステージングをわが国で普及する活動」(杉之原冨士子代表理事)を続けてきた。
24年10月末現在で、法人会員数は66社、同協会が展開する「ホームステージャー」の資格認定者数は5064人(1級・2級)に達している。24年度は「2023年ホームステージング白書(実態調査)」の発表、「ホームステージングカタログVol.2」の発行、第8回ホームステージングコンテストの実施のほか、協会主催のセミナーや企業とのコラボセミナーを開催してきた。
こうしたなかで打ち出した25年度の活動のテーマの一つが「空き家」であり「空き家+ホームステージング=空き家活用促進」をキーワードに取り組みを進める。
「不動産流通業者を中心にさまざまな業種でホームステージングが活用されているが、空き家にホームステージングを行うイメージはない。空き家でも活用できることを知ってもらいたい」(杉之原代表理事)と、活用を促す。
具体的には、25年6月の第2週(9日~14日)を「ホームステージング週間」と設定し、同期間内に協会が活用していない空き家を無償で片付け、家具や小物などでホームステージングを行って流通を促す。また、その過程で空き家に存在した不用品をリサイクル、買い取りしその収益を被災地に寄付する。期間中に1~2件は実施したい考えだ。「事例をつくることで空き家をホームステージングするという一連の流れを定着させたい」(杉之原代表理事)という狙いで、一つの事業を創出することで地域活性化にもつながると期待する。
また、空き家になる以前からの取り組みも進める。現在、同協会では、ネットで「スマ(住まい)クラ(暮らし)健康診断」~「5分で終わる」シニアのための住まいと暮らしのセルフチェック~を展開している。簡単な20問の質問に答えることで診断結果が表示され、アドバイスを受けることができる。
この診断チェックにおいて空き家の不安を抱えるシニア世代が多いことが分かっており、空き家になる前に今の住まいや暮らしの見直し、これからの住まいをどうするか考えるきっかけを与えるため、この診断チェックをより多くの人に受けてもらえるようシニア世代のためのセミナーや相談会を実施、空き家の予防に取り組む。
先の空き家の無償ホームステージングは、この診断チェックの事例の中からのピックアップを想定している。また、さまざまな空き家に関する取り組みを進める団体とのコラボレーションも進めていきたい考えだ。
空き家の増加、なかでも利用意向のない「その他空き家」の増加が大きな社会課題となっている。自治体だけでなく住宅産業界においても不動産流通業だけでなくさまざまな事業者が取り組みを進めている。ホームステージングという視点からの取り組みは、空き家の利活用促進の一つの手段として注目されそうだ。
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