SE構法で法改正に対応 非住宅木造建築への事業拡大も

  • 4号特例縮小、省エネ義務化に対応
  • 商品の高付加価値で競争力アップ
  • 非住宅分野の中大規模木造建築も可能

エヌ・シー・エヌは、創業以来約28年にわたり耐震性の高い独自の木造建築技術「SE構法」を提供してきた。
25年4月の建築基準法改正を前に社内のバックアップ体制を整え、構造・省エネ相談からプレゼンサポートまで支援を拡充している。

エヌ・シー・エヌのSE構法とは、従来鉄骨造やRC造で主流だったラーメン構法を木造に取り入れシステム化したもので、そのラーメン構法と構造計算によって高い耐震性と大空間を実現できる。1997年から約28年にわたり全国の提携工務店に提供し、現在のネットワーク加盟店数(SE構法登録施工店数)は9月末時点で615社にのぼる。同社は構造計算や部材の提供だけでなく、温熱・省エネルギー計算まで支援しており、来年4月の法改正での需要増を見込んで社内体制を拡充している。

営業企画室の後藤俊二室長は「戸建市場が厳しい中、工務店の方々の戦略として住宅に絞って価値を高めようとする『守り』と、新たに非住宅へ挑戦する『攻め』の両方がある」と分析。SE構法は両戦略の「新たな武器になる」と力を込める。工務店にとって、4号特例縮小や省エネ基準適合義務化への対応が喫緊の課題だが、加盟すれば構造計算や省エネに関わる計算の支援を受けられるため、「法改正を乗り切ることができる」(後藤室長)。さらに、SE構法による技術力や設計の自由度アップで高付加価値化することにより、受注金額を上げることも可能になる。「大手ハウスメーカーに流れていた優良顧客を取り込めるようになったという声もある」という。

住宅の価値向上から中大規模木造建築への挑戦まで幅広くサポート

加盟後、スピーディにSE構法に取り組んでもらいやすくするため、今年から新たにSE構法による戸建てのサンプルプランの提供をスタートさせた。平屋、2、3階建て、ガレージハウスなど、様々なニーズに合わせた参考プランで、各種納まりや参考積算資料などを提供していく。また、グループ会社であるMAKEHOUSE社のBIMによるCGプレゼンサポート「MAKEViZ(メイクビズ)」も用意。SE構法ならではの空間やデザイン性のアピール力を向上させるため、高品質なレベルの高いCGをサポートしている。さらに加盟店が顧客に提案する前の段階からでも同社の構造担当者が積極的に構造相談に対応する仕組みを構築。後藤室長は「こうしたやり取りを通じてSE構法の強みをより活用し提案力を上げてもらうのが狙いで、加盟店の方々からは満足の声をいただいている」と話す。

SE構法は、中大規模木造建築に対応できることも強みの一つだ。非住宅の木造化が広がる中、その分野での新規参入を目指す工務店に対して、本社の特建事業部が持つ防火、耐火対策も含めたノウハウを一から伝える。「我々や加盟店が手掛けてきた建築物でこういうものを作れるとPRできる」(後藤室長)。非住宅での経験がなくとも、SE構法による様々な施工例を挙げて、新たな顧客獲得も狙うことも可能だ。

住宅・非住宅にかかわらず、加盟店にはオンライン勉強会や動画、メルマガの配信などでSE構法への知識を深めてもらうだけでなく、広告、販売戦略のサポートも含めて総合的な支援を図っていく。

株式会社エヌ・シー・エヌ
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