ポラスガーデンヒルズ、「セントラルデッキのある暮らし」でつながる暮らしを提案
子育て世代の3家族が自然なコミュニティを形成
ポラスガーデンヒルズによる3棟の住宅をデッキでつなげた分譲地「セントラルデッキのある暮らし」が、国内外で5つの賞を受賞した。各世帯が空間を共有する新たな形の分譲地の成功例であり、入居者の満足度も高い。
「セントラルデッキのある暮らし」は、埼玉県松戸市内にあるウッドデッキとシンボルツリーを中心とした3区画の分譲地である。市街化調整区域のため、全戸165㎡以上の敷地を確保する必要があるなかで、建物配置や植栽の工夫により、各世帯の交流の場となるセンターデッキのあるコミュニティゾーンと、他世帯の視線を気にせず過ごせるプライベートゾーンの庭を区分したのが特徴だ。同社設計部でこのプロジェクトを手がけた志保澤敦氏は「従来の共有地を持つプロジェクトでは、住民の共有スペースありきで、それぞれのプライベートな空間が考えられていないケースがある。そこを明確に分けていくところからスタートした」と狙いを語った。
各棟をつなぐセンターデッキの中央には、シンボルツリーとセンターポールを設置。センターポールから各棟にタープをかけ、タープの角度を変えることでオープン、セミオープンの空間の使い分けを可能とした。また、デッキに面した外壁を共通にし、シャッターのない防犯ガラスの掃き出し窓とすることで、一体感を強調。敷地北西側には、隣接する道路や公園につながるフットパス「風の道」を作り、風の抜ける効果も生み出した。1号棟はリビング、2号棟はダイニング、3号棟は土間をそれぞれデッキにつなげ、外と内の空間がつながるよう間取りを工夫した。こうした取り組みが評価を受け、国内では、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞(いずれも2024)、子育て支援大賞(2024)、海外では、イギリスのデザインアワードであるLICC(2023)、アメリカのデザインアワードAMP(2024)を受賞した。
価格帯は、5000万円台前半から中盤。22年9月から販売開始し、2か月後に2棟、翌年9月に残り1棟が売れ、完売した。3戸はいずれも20代から30代の夫婦と子どものファミリー層で、各家族に2人ずつ子どもがいる。共有空間があるため、家族同士の関係が気になるところだが、いずれも同年代で子育て中ということもあり、良いつながりを築いているという。3家族に入居後の感想を尋ねたところ、「(他2家族との関係で)『ガチャ』的なところがあったが、とてもいい家族に巡り合えた。こうした空間を共有したいと思う人たちなら大丈夫だと思っていました」。「暮らしてみると、3家族とも人との距離感や常識が同じ感覚だったので、不快感がまったくありません。たまにデッキでバーベキューをしたり、どこかの家で飲み会を開いたりしています」。「自分たちの1棟分だけではなく、3棟分の広いスペースで子どもが走り回れます」と、ポジティブな意見が多かった。
「これだけ広さのある敷地はなかなかないが、狭小地でも同様に工夫した取り組みをしていきたい」と志保澤氏。同社は、住まい手の公私どちらも尊重するコンセプトを他にも展開していく考えだ。
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