YKKが挑んだパッシブの集大成へ 第5街区はWLCを大幅に削減予定
注目!!プロジェクト:パッシブタウン(富山県黒部市)
季節風あいの風が吹き、水の恵みにあふれる富山県黒部市で、約10年前に開始したパッシブタウン構想。第1街区から第5街区まで、別の設計者が担当し、それぞれの考えるパッシブ住宅づくりに取り組む。最終にして最大の街区となる第5街区の竣工予定が25年3月に迫るなか、第5街区設計者のヘルマン・カウフマン氏が来日し、講演を行った。
YKKグループは富山県黒部市にある社宅跡地で、自然エネルギーを最大限に活用した先進的なまちづくりに取り組むとして、2013年にパッシブタウン構想を発表した。
街区ごとに異なる建築家が、自然の風や地下水、太陽エネルギーを活用したパッシブハウスを設計し、カーボンニュートラルなまちづくりに挑戦する。
現在完成しているそれぞれの街区については、第1街区および第2街区が、長屋形式の社宅を地下から取り壊して立て替えた新築の住宅で、第3街区が、リノベーション住宅、第4街区はYKKグループの事業所保育施設となっている。また、新築の住宅棟ならびに駐車場棟、集会所棟を建設する第5街区はWLC(ホールライフカーボン)の大幅削減をコンセプトの一つに掲げている。
窓は第1街区~第3街区が樹脂窓(トリプルガラス)で、第4街区が複層ガラスで樹脂窓と木製サッシを組み合わせたものを採用。建設中の第5街区は全て木製窓となっている。
ランドスケープデザインでも、自然を生かし、人が集まるような環境とする工夫が凝らされている。例えば、パッシブタウン内の各所に豊富な地下水を利用したクールスポットを設置しており、居住者だけでなく、地域の人の散歩コースや小学生の遊び場としてにぎわっているという。
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