パナソニック ハウジングソリューションズ、マンションリノベの実態を調査
デザイン選択やコストバランスに悩みの声
マンションリノベーションの実態調査を実施した。デザイン性を重視する傾向が見られた一方、住設・建材の選択時などに色柄やスタイルの選定に悩む声が多かった。また、コストバランスの難しさも浮き彫りになった。
近年、マンション市場では価格の高騰などを背景に、リノベーションに注目が集まっている。政府の統計によると、築15~30年のリノベーション適齢期を迎えたマンションストックは全国に300万戸存在しており、マンションリノベーションは今後も需要が旺盛に推移していくことが予想される。
こうしたなか、同社はマンションリノベーションの実態を独自調査した。同調査は、都市圏在住で過去3年以内にマンションリノベーションを行った30~40代の男女400人を対象としたもの。これによると、リノベーションにかける費用として最も多かったのは1000万円以上で、21%だった。「価格の高騰により住宅にかけられる予算が限られているなかでも、できるだけ自分らしい暮らしを実現したいと考える人が増えている」(水廻りシステム事業部・窪井健司マーケティング総括主幹)。
また、自分らしい暮らしを実現する上で最も重視されているのがデザイン性だ。半数近い45.8%の人が照明設計や素材・カラーコーディネーションなどを重視したと回答している。ただ、計画・設計段階や住設・建材の選択時に色柄やスタイルの選定に迷ったと言う声は多く、自分が希望するイメージを具体化した上でいかに施工業者に伝えていくかが顧客の悩みとなっている。
こうした悩みを解消するため、同社は顧客のライフスタイル選択をサポートする診断ツールを展開し、リノベーションのプランニングをサポートしている。
同ツールでは、6タイプの暮らしのイメージと7つの生活スタイルのプリセットを用意。これらの組み合わせの中から顧客に最適なものを提案する。使い方は至ってシンプルで、「アウトドア派かインドア派か」といった簡単な質問に答えていくだけで、顧客は自分の希望に沿った素材やカラー、製品などを確認することができる。
窪井主幹は、「圧倒的にデザイン性が重視されるマンションリノベーションでは、新築や戸建てリフォームとは違った商品提案の仕方が不可欠」と話す。
そのほか、同調査ではもう少し予算をかけておけばよかったと後悔した場所のトップ3を水回りが占めた。一方、当初より予算をオーバーしたことを後悔する人も22.0%に上り、リノベーションにおけるコストバランスの難しさが浮き彫りとなった。
なお、同社は8月にマンション向けバスルーム「MR」をリニューアル販売するが、同商品は鏡やカウンターをオプション化することで、価格を従来比で約10%抑えている。リノベーションにおけるコスト問題の解決に一石を投じる商品になりそうだ。
今回の調査結果を参考にしつつ、「今後も顧客ニーズに合わせた最適な商品を提案・供給できるよう務めていく」(窪井総括主幹)方針だ。
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