2024.8.2

旭化成ホームズ、重鉄制震構造のRATIUSシリーズの第四弾

シェルウォールで視線を遮り、3つの中間領域を創出

2階建て邸宅専用躯体 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造の「RATIUS」シリーズのラインアップを拡充し第四弾「RATIUS|RD 余白の在る家」を発売した。従来品よりもコンパクトなサイズとし顧客層を広げる。

同社は2022年4月に創業50周年記念商品として、40坪~60坪程度の2階建て邸宅を想定した新躯体を採用した「RATIUS|RD(ラティウス アールディー)」を発売した。さらに同年10月に、縦横ともに伸びやかで豊かな空間を創出し、自然に囲まれたVilla(別荘)で寛ぐような心穏やかなひとときをもたらすインテリアスタイルを採用した第二弾「RATIUS|RD FINEST VILLA(ファイネスト ヴィラ)」、重鉄ならではの深い軒と大屋根が創り出すダイナミックな外観が特徴の第三弾「RATIUS|GR(ラティウス ジーアール)」を発売。「RATIUS」シリーズの23年度受注実績は646棟、24年4月までの累計実績で1100棟超となった。川畑文俊社長は「富裕層向けの設計力、営業力が徐々に社内に浸透し、受注獲得の手ごたえをつかみ始めている。23年度上期の受注は振るわなかったが、下期は計画以上に伸長した。これが24年度を引っ張っていく」と話す。同社の戸建住宅全体に占める重量鉄骨造の割合は約25%。「RATIUS」シリーズを武器に大型化・高付加価値化を推進することで3割超まで比率を高めていく計画だ。

「ロングライフ全館空調」の採用により、敷居を全開にすることで、玄関ホールもリビングの一部として使用することができる
シェルウォールにより創出した中間領域を生かして、植栽を効果的に配置し、内と外の空間を緩やかにつなげている

そして24年5月、RATIUSシリーズの第四弾、「RATIUS|RD 余白の在る家」の販売を開始した。従来品よりもコンパクトなサイズとし顧客層を広げ、都市部での建て替え需要などの取り込みを狙う。重鉄躯体が可能にした、一辺180㎝以上の大きなシェルウォールにより、中間領域となる3つの「間」をつくることで、プライバシーを確保しながらも外部空間や自然を取り込み、邸宅にふさわしい余白(ゆとり)のある住まいを実現する。「縁の間(えんのま)」は縁側や濡れ縁、「光の間(こうのま)」は通り土間、「青の間(あおのま)」は坪庭を連想させる空間だ。商品企画部の小泉雅由氏は、「外観は、大小の2つのハコを組み合わせたシンプルな形で、大きい方のハコの内側を削り出し窓を配置した。視線が気になるところをシェルウォールで覆うことで、視線を遮りながら光や緑を取り入れることができる。カーテンはいらない」と説明する。玄関ホールには階段と吹き抜けを配置した。また、フロア全体を快適な温度に保つ「ロングライフ全館空調」を採用することで、通常は通過するだけの玄関ホールが居心地の良い居場所となり、プラスαの空間を生み出すことができる。インテリアや外構にもこだわった。インテリアを担当したインテリアスタイリストの石井佳苗氏は、「造作家具ではなく、必要最低限の家具をセレクトし、照明も最小限にすることで、自然の光が差し込む大空間を生かしている。朝から夜まで空間の奥行きを楽しむことができる」と述べた。また、ガーデンディレクターのBROCANTE 渡邉賢介氏は、「中間領域があらかじめ用意されているので、中と外をつなげる植栽計画を立てやすかった」と説明した。坪単価は105万円~。年間150棟の受注を目指す。