JFE鋼板、鉄骨躯体と金属屋根を「災強パッケージ」として提案
狭小地の集合住宅や高齢者施設などでの採用拡大を目指す
鉄骨躯体「フレームキット」と、金属屋根の「ジョイント立平」、「プレーゲル」を災害に強く、集合住宅・高齢者施設に最適な「災強パッケージ」として6月より提案を開始した。
集合住宅や高齢者施設などに向け、鉄骨躯体と金属屋根による「災強パッケージ」の提案を開始した。
鉄骨躯体の「フレームキット」は細くて軽量な部材構成を特徴としている。例えば柱は7.5㎝角で3階建てまで対応ができ、低層集合住宅や高齢者施設などで多く採用されている。鉄骨であるがゆえの高い耐久力を強みに、劣化対策等級では、概ね75年~90年の耐久性が認められる等級3を取得。接合金物は工場で取り付け、現場ではボルト接合のみで組み立てられるため、溶接工などの専門技術者がいなくても、「普段、在来軸組工法を行っている職人の方であれば、同じような感覚で施工できる」(建材事業部 システム建材部 オビエロ陽子主任部員)ことも大きなポイントだ。特に、木造建築では難しい駅近などの防火地域で引き合いが強い。現在、防火地域でも木造建築の建設ができるように法改正が進められているが、木材を何重にも被覆した建材は手間もコストもかかるため、防火地域での需要はしばらくあるとみる。加えて、指定のサイディングを用いることで、内装側に使用する材料に制限を設けない、従来にない防火構造認定を取得している。
一方、屋根は、縦継可能な嵌合式立平屋根の「ジョイント立平」と、ロングベストセラー商品の洋瓦風金属屋根「プレーゲル」を用意している。ジョイント立平は、1枚を2m程度にコンパクト化して持ち運びやすくし、独自の加工と防水シートで嵌合式でも高い防水性を確保している。短尺のため搬送がしやすく、搬送時の凹みなどのリスクも低減する。プレーゲルは、働き幅が910㎜あるため、少ない枚数で広い屋根面積を葺くことができる商品。どちらの屋根材も1~2人で施工できるため、人材不足の建築業界で注目の存在となっている。屋根に使用する鋼板は穴あき25年保証のものを使用しており、高耐久で軽量な金属屋根を鉄骨躯体と組み合わせることで、より高い耐震性を確保でき、建物の長寿命化に貢献する。
これまで、フレームキットと金属屋根はそれぞれの営業部署が提案していた。しかし、耐久性や施工性など共通する強みがあったため、セットで提案することで新たな顧客創出などに繋げられるのではないかと考えた。高齢者施設などの福祉施設をはじめとし、投資回収の観点から経済性が重視される傾向にある賃貸の集合住宅などに、スクラップ&ビルドでなく長期的に使用できる建物の選択肢として提示していきたいとする。提案方法としては、代理店が同社のフレームキットと屋根材を材工込みで販売する体制をつくっている。代理店は基礎工事も行っているため、基礎から外装までを一括した対応も可能。年間80棟の採用実績をもつフレームキットと、年間採用実績20万㎡のジョイント立平、年間採用実績12万㎡のプレーゲルをパッケージ化することで大きな訴求力となりそうだ。
まずは関東で展開を開始し、その後、年明けくらいを目処に中京、関西などの都心での展開も視野に入れる。24年度の販売目標は、まず30セットを掲げる。展示会などを通して建材の発注を行う業者に向けて訴求を行っていく。
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