2024.2.28

クリナップ、創業75周年の節目にサニタリーを刷新

水回りメーカーとしての復権を目指す

創業75周年を契機に、システムバスルームと洗面化粧台のブランド刷新を行った。特に、システムバスルームは新コンセプトに「リビングバスルーム」を掲げた注力商品であり、サニタリー分野の巻き返しを図りたい考えだ。

創業75周年に合わせてサニタリー部門のブランド刷新を行い、システムバスルームと洗面化粧台の新商品を市場投入した。サニタリー部門でのブランド刷新は20年ぶりのことだ。

ブランド刷新の狙いを話す竹内社長

システムバスは、中高級価格帯の「SELEVIA(セレヴィア)」、普及価格帯の「rakuvia(ラクヴィア)」の2ブランドで展開する。両ブランドに共通する新コンセプトとして、「リビングバスルーム」を掲げた。これは、同社がキッチン開発で培ってきた「『水回り』はもっと自由にリビングに近づくべき」という考え方をシステムバスにも反映させたもの。これまで、浴室は体を洗うためだけの〝作業場〟と考えられてきた。しかし、近年はコロナ禍をきっかけに生活環境を見直す動きが加速しており、様々な空間にリビングのような心地よさを求める人が増えている。新ブランドでは浴室を部屋として捉え、空間としてのインテリア性、快適性、用途の多様性に対応することで、浴室に新たな価値を付加し、ボーダーレスな空間づくりに貢献する。具体的には、木目や石目模様の加飾天井や加飾エプロンを標準搭載することで、浴室にも居住空間のようなイメージを持たせ、くつろぎの空間を演出している。SELEVIA限定で加飾フロアも導入しており、床面まで含めて浴室空間全体に木目や石目を展開することも可能だ。

また、今回の新システムバスルームでは、幅広い需要に対応するためにサイズ対応力を向上させた。同社が従来販売してきた中高級価格帯の「アクリアバス」や普及価格帯の「ユアシス」は、戸建て住宅を主としたサイズ展開を行っていたことから外寸サイズが他社製品よりも大きかった。そのため、納まる物件が限られてしまうという課題があり、あまり普及が進んでいなかった。今回、対応サイズを一新したことでマンションやリフォーム需要にも対応できるようになった。

浴室全体の軽量化にも成功している。サイズ対応力を向上させる過程で、壁や天井に使用しているサンドイッチパネルを25㎜から14㎜に薄手化したことが軽量化につながっている。サンドイッチパネルとは、表裏面の鋼板の間に断熱材を挟み込むことで保温効果を高めたパネル部材だ。加えて、浴室カウンターなどの標準アイテムの取り付け位置は、工場出荷時にあらかじめ穴あけ加工済みとすることで、取り付け・設置時間を従来品よりも約2時間短縮することに成功した。

さらに、SELEVIAには①除湿乾燥、②微冷房、③微暖房、④換気、の4機能を備えた浴室用換気扇「乾爽!除湿ファン」も搭載した。これにより、浴室内を1年中快適に保つことが可能だ。①~④の機能をすべて備えた浴室用換気扇は業界初だという。オプションで導入できる「乾動!優レールハンガー」と組み合わせることで、浴室を使って効率的に部屋干しをすることも可能だ。近年、花粉や黄砂が飛散することなどから部屋干しニーズが増加しており、「乾動!優レールハンガー」は一定の需要があると同社は見ている。

価格は、「SELEVIA」が基本プランで128万8000円~、「rakuvia」が107万8000円~となっている。

中高級価格帯の新システムバスとして「SELEVIA」を市場投入した

洗面化粧台もブランド刷新
機能性・意匠性を追求

一方、洗面化粧台は中高級価格帯の「ELVITA(エルヴィータ)」、普及価格帯の「rakutowa(ラクトワ)」の2ブランドを展開する。

「ELVITA」は、近年、造作洗面で人気が高まっているベッセル型を採用した。洗面ボウルをカウンターの上に設置するスタイルのことで、同社の洗面化粧台では初のラインアップとなる。また、「ELVITA」は、造作洗面を導入する際の課題も解消した。一般的に造作洗面を導入する場合は、施工業者と施主の間で入念に打ち合わせを行い、細部までの部材選定をする必要がある。加えて、部材ごとに納期のバラつきがあり、工期が長くなることが課題となっている。「ELVITA」では、クリナップがすべての部材を揃えることでこうした問題を解消、取り付け・設置説明書も用意することで、施工もスムーズに行うことができる。

「ELVITA」は、機能性にもこだわった。幅530㎜×奥行き480㎜のボウルを採用し、コンパクトながら洗顔なども問題なく行えるサイズ感を追求。また、ボウルの深さも165㎜と一般的なベッセル型洗面よりも深めに設定することで、水はねを軽減した。1800㎜までの大間口にも対応しており、「2ボウル型」や「片側デスク型」といったタイプも選択可能だ。

そのほか、意匠面では洗面ボウルの素材に人工大理石を使用し、インテリアと調和しやすいようにマットな質感に仕上げるなどの工夫を凝らした。

また、「rakutowa」は「理想の空間(暮らし)が楽にできるスタンダード洗面台」をコンセプトとし、シンプルなスクエアボウルを採用。ボウルの両サイドには簡単な物置として使えるカウンター面を確保した。

今回のブランド刷新の大きな狙いとして、同社はサニタリー部門の巻き返しを挙げている。同社のサニタリー部門の売上は10年前と比較して35%減少しているほか、売り上げ構成比も同6%低下し、現在は13%程度となっている。ブランド刷新によって、サニタリー部門の売上を10年前の水準まで回復させたい考えだ。

竹内宏代表取締役社長は、「近年、キッチンの売上は好調に推移しているものの、サニタリーは苦しい状況にある。そのため、かつては水回りメーカーと言われていたが、最近ではキッチンメーカーと言われることが多くなった。創業75周年という節目にサニタリー部門でのブランド刷新を行うことで、水回りメーカーとしての復権を目指していきたい。社運をかけて開発した商品であり、今年は当社の『サニタリー元年』だと考えている」と話した。