能登半島地震の被災者支援パッケージをとりまとめ
住み慣れた土地に戻るための住まい確保を促進
令和6年能登半島地震非常災害対策本部が「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」をとりまとめた。被害家屋の解体支援などを行い、住み慣れた土地へ戻るための住まいの確保を早急に進めていく。
令和6年能登半島地震の被害状況が今もなお拡大している。石川県によると、2月1日時点で、死者240人を含めた人的被害は1419人、全壊や半壊、一部破損などの住宅被害は4万7915棟、公共建築物など非住宅被害は431棟となっている。輪島市や珠洲市、七尾市などを中心に約4万490戸では未だ断水も続いている。
また、新潟県の住宅被害は1万3654棟(2月1日時点)、富山県は6058棟(1月30日時点)だ。
こうしたなか、政府の令和6年能登半島地震非常災害対策本部が「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」をとりまとめた。同パッケージは、「生活の再建」、「生業の再建」、「災害復旧等」の3本柱で展開。避難者の不安を取り除き、平穏な日常をいち早く取り戻すための緊急に取り組むべき施策を盛り込んだ。
このうち、「生活の再建」では、避難者が住み慣れた土地に戻って来られるよう、「災害復旧等」で示す道路、水道、学校施設等の復旧に合わせて住まいの確保を早急に進めていく。
具体的には、「倒壊家屋の解体・撤去支援、災害廃棄物の処理の円滑化」に取り組む。今回の災害が特定非常災害に指定されたことを受け、被災家屋の解体支援については全壊家屋だけでなく、特例的に半壊家屋も対象とする方針だ。所有者の自己負担なしで被災家屋を解体できるようにすることで、被災者の生活の早期再建を促す。加えて、家屋の解体については地方公共団体の負担軽減のため、技術支援や人的支援も行うとした。
また、倒壊家屋には空き家も多く、所有者の確認に時間を要することが想定される。例えば、2月1日時点で全壊被害が2316件、半壊被害が1221件にのぼる珠洲市の空き家率は18年度時点で20・7%であり、全国平均の13・6%を大幅に上回っている。そこで、環境省を中心に法務省、国土交通省が連携し、所有者不明空家の解体について「所有者不明建物管理制度」を積極的に活用していく方針を示した。
同制度は、23年4月に施行された民法の新制度。建物の所有者やその所在が不明な場合に、利害関係人が地方裁判所に申し立てを行うことで、その土地・建物の新たな管理人を選任してもらうことができる。
「被災者ニーズに応じた応急仮設住宅の供与等」も進める。住宅の応急修理期間中にも被災者が仮設住宅を使用できるようにするなど、令和2年7月豪雨における熊本県での対応を参考にしつつ、復興後の利用方法も見据えて被災地のニーズに応じた応急仮設住宅の供給を促進。プレハブ仮設やトレーラーハウスなどに加え、被災地域の特色に合わせた地域型木造仮設住宅を供給する方針だ。
なお、みなし仮設住宅については、これまで石川県内の賃貸物件を対象としてきたが、2月5日から新たに富山県で1500戸福井県で1200戸、新潟県で1000戸の計3700戸も対象に追加する。これにより、石川県内の4300戸と合わせ、みなし仮設住宅を8000戸確保するとした。
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