広島建設、広島県国有林で分収造林契約を締結
森林保全、国産材安定供給に貢献
広島県の国有林で分収造林契約を締結、「セナリオの森」で50年をかけてヒノキ9144本を育てる。SDGsの視点からの森林保全、国産材安定供給への貢献が目的だ。
広島建設(千葉県柏市、島田秀貴社長)が、2023年12月5日、広島県の国有林について分収造林契約を締結した。分収造林とは、造林者が国と契約し国有林に植栽、一定期間育て成林後に木を販売し、その収益を国と造林者で一定割合で分収する制度。今回の契約は、林業に対する支援が目的だ。
同社は注文住宅のブランド「セナリオハウス」の一部に「檜ハイブリッド工法」を採用している。純国産の檜単板を積層した構造用単板積層材(LVL)を活用した工法で、2011年から展開を開始、年間販売棟数の約3割程度を占め、これまで累積1425棟の実績を持つ。この檜LVLを製造しているのがオロチ(鳥取県日野郡日南町、相見晴久社長)だ。その縁から22、23年に日南町が実施する「SDGsによる持続可能な共生・協働の森整備事業」に対し、企業版ふるさと納税制度を活用し100万円、300万円の寄付を行っている。広島建設は木造建築を担う企業として、SDGsの一環で日本の森林事業への取り組み支援を模索するなか、オロチと、木材流通の物林から日南町の同事業を紹介され、寄付に至った。
セナリオの森でヒノキ9144本
今回の分収造林契約もこうした取り組みの延長線上にある。具体的には、広島北部森林管理署管内の広島県神石郡神石高原町「新元重山国有林」について分収造林契約を締結したもの。契約面積は4万5720haと東京ドーム約1個分で、植林する樹種はヒノキ9144本。24年1月に植林を開始し、契約期間は2073年3月31日まで、50年後の伐採を予定している。広島建設が分収造林契約を締結するのは初のことで、契約した林地を「セナリオの森」と命名した。
この「新元重山国有林」は、2年前に物林が入札で伐採、オロチなどに販売し「檜LVL」として広島建設が活用した経緯があったことから、物林が分収造林を広島建設に提案した。広島建設は創業者が広島県出身で社名の由来でもある広島県との縁もあり、社会貢献として分収造林契約を決定した。
広島建設は、年間700棟程度の住宅や非住宅を木造で建築している。「造林・育林という川上から木造建築という川下まで、50年間という未来に向けた大きな循環のサイクル構築に取り組み、森林保全への貢献はもとより国産材の安定供給にも貢献していきたい」(西田武史取締役 生産管理部部長)と、今後も取り組みに力を入れていく考えだ。
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